昨日の続きで、今日は第二十課「勤勉」を紹介します。
昔京都に、圓山應擧(※円山応挙:まるやまおうきょ)といへる畫工(がこう・えかき)あり、「生き物の姿を写すは、手ぢかの物より始むるにしかず、」とて、一年余りの間、日日祇園の社にゆきて、雞(にわとり)をながめゐたり、やがて之を額に畫(えが)き、其の社に納め、ひろかに人人の評をききけるに、或る日野菜売りの翁之を見て、「雞の傍に草を描かざりしは、尤も妙なり、」といひければ、應擧すみやかに翁をとひて、くはしくその事をたつねたりとぞ。應擧は、かくの如くつとめはげみて、怠らざりしかば、遂に名高き畫工となりたり。
為さずんば、なんぞ成らん。
円山応挙の寺として知られる大乗寺(兵庫県香美町香住)には、2,3度訪れました。最初は若い頃、職員旅行だったと思いますが、どこからみてもこちらを見ているような絵があり、不思議な感じを受けたのをよく憶えています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます