8月4日~10月8日 Bunkamura ザ・ミュージアム
イリヤ・レーピン(1844-1930)、ロシア帝政時代の力を感じさせる、趣味がよく技術的にも高い画家ということがわかる。有名な「ヴォルガの船曳き」はトレチャコフではないため、ここでは習作のみの展示となっている。
肖像画は多くが上流階級、そして画家の家族をはじめ近しい人たちを描いたものが多いが、その他の絵では広く社会の人たちに目が向けられていて、それらは画家の内面を感じさせるものである。
有名な「休息ーヴェーラ・レーピナの肖像」を見ても、もし肖像画を描いてもらうとしたらレーピンに描いてもらいたいと思う。
さて今回はムソルグスキーの肖像を見ることができる。音楽の教科書やレコード・CDジャケットの定番になっているあれである。実際にそうだったらしいのだが作曲家晩年のちょっと酒を飲みすぎたような風貌、これを見て作曲家は何と言ったか。画家はいかにもモデルに気に入られるようには描いていない。
この種の作曲家肖像画では先の「ドビュッシー、音楽と美術」であの有名なマルセル・バシェのものを見ることができた。ドビュッシーあたりだと当然写真もあるわけだが、まだ肖像画の出番の方が多いだろう。見たことがある本物はあと一つ、ドラクロアの「ショパン」(ルーブル美術館)である。