ベッカムに恋して(2002年 英・米・独)
映画には題名、この場合は邦題を見て引いてしまうものがある。この題名に記憶がなくもないが、もしその後のキーラ・ナイトレイの目立ち方がなければ見なかっただろう。
この映画、実はスタッフのほとんどがインド人という変わったもの。イギリスにおけるインド人社会のサッカー大好き、ベッカム大好き少女がある女子サッカーチームに入り、ステップアップしていく物語である。この主人公を演ずるのはバーミンダ・ナーグラ、もう一人の有望白人少女がキーラ・ナイトレイ。
話はたとえて言えば「エースをねらえ」(スポ根)と「渡る世間、、、」をあわせたようなもので、コーチとの葛藤、恋のさやあて、家族の無理解、人種問題、同性愛などなんでも入っている。しかしあまり深刻にならずに、インド映画によくあるのだろうが宴会や踊りのシーンもたっぷり入り、深刻にならずいいコメディとなっている。
原題は Bend it like Bechkam だから、ベッカムのようにカーブをかけろということだろう。
ただ、こういうシーンになるとCGをうまく使うでもなく、出演者を日本の「ウォーター・ボーイズ」、「スイング・ガールズ」のように鍛え上げてもいないので、物足りなさはちょっと残る。
さてクライマックスで流れるのは歌劇トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」で、4年前からこれは勝負曲であったし、荒川静香の選択は正しかったというとこだろうか。
もうひとつついでに、若い人たちが乗っているのはなぜかほとんど日産車で、マーチ(あちらではマイクラ?)やプリメーラの使われ方は興味深い。