わらの女(La Femme de Paille):カトリーヌ・アルレー(Catherine Arley) 作
橘 明美 訳 創元推理文庫
このタイトルはかなり前に目にした記憶があり、新訳ということで読んでみた。1954年の作品で1964年に映画化されている。それで題名は覚えているのかもしれない。
ハンブルグに住む30過ぎで一人暮らしの女性が、玉の輿ねらいで新聞の求縁広告を読んでいて、ピタリのものを見つけ、応募してのぞみどおりになる。相手の年寄り資産家の秘書の緻密な計画lを知るが、それに乗っていわば完全犯罪のような進行がうまくいくはずだった。
ところがほころびが出始める。これが実は仕組まれたものらしく、彼女が少しずつそれを知るにつれて窮地に陥る。
この小説の見どころは、ミステリ、謎解きが、全体300頁でいえば、200頁、そして最後の50頁あたりから、全く違う「小説」としての展開を見せるところである。具体的にはここに書けないが。
そしてその展開、やり取りは、人数が少ないから、資産家と出会って豪華船で公開、寄港してのドタバタの部分を映像にでもすれば、舞台でのやり取りにしても面白いと思う。秘書がトリックスター、捜査官が地味な追求役、、、
結末の後味はちょっとどうかな、という感じはある。
ミステリのタイプとしては映画「太陽がいっぱい」が思い浮かぶ。もっとも原作(パトリシア・ハイスミス)は読んでないが。
橘 明美 訳 創元推理文庫
このタイトルはかなり前に目にした記憶があり、新訳ということで読んでみた。1954年の作品で1964年に映画化されている。それで題名は覚えているのかもしれない。
ハンブルグに住む30過ぎで一人暮らしの女性が、玉の輿ねらいで新聞の求縁広告を読んでいて、ピタリのものを見つけ、応募してのぞみどおりになる。相手の年寄り資産家の秘書の緻密な計画lを知るが、それに乗っていわば完全犯罪のような進行がうまくいくはずだった。
ところがほころびが出始める。これが実は仕組まれたものらしく、彼女が少しずつそれを知るにつれて窮地に陥る。
この小説の見どころは、ミステリ、謎解きが、全体300頁でいえば、200頁、そして最後の50頁あたりから、全く違う「小説」としての展開を見せるところである。具体的にはここに書けないが。
そしてその展開、やり取りは、人数が少ないから、資産家と出会って豪華船で公開、寄港してのドタバタの部分を映像にでもすれば、舞台でのやり取りにしても面白いと思う。秘書がトリックスター、捜査官が地味な追求役、、、
結末の後味はちょっとどうかな、という感じはある。
ミステリのタイプとしては映画「太陽がいっぱい」が思い浮かぶ。もっとも原作(パトリシア・ハイスミス)は読んでないが。