横浜美術館 2011年12月17日-2012年3月18日
松井冬子については、ここで展覧会を開催しているということ以外全く知らなかった。先週だったか、BSの番組に本人が出演して作品がいくつか紹介され、かなり変わった傾向とわかり、まとまって見られるときにと思って行ってきた。
番組で言っているように、そして作品に添えられた本人の言葉(?)にもあるように、これらは女が女を、または女でないモノであってもそれを女の表象として、考え方としてのリアリズムに徹して描いたものだろう。技法としては日本画で、この世界にフィットしている。
内臓を抉り出したり、死体が出てきたりするが、グロテスクというよりは、時間が停止した空気のなかで、静謐な力が感じられる。見る人が男と女でどう違うのか、興味もある。
確か現在37歳のはずで、本格的に作品を発表してから十数年だが、これまでの中では後期というか最近のナルシシズムを扱ったものが、ナルシシズムをプラスにとらえているところがいい。
他にも、溺死していく象、 水面に映る千鳥ヶ淵の桜、など。