メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

KORIN展(燕子花図)

2012-05-15 22:29:46 | 美術

KORIN展 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」

根津美術館 2012年4月21日(土)~5月20日(日)

 

ここが隈研吾の設計で改築された後に「燕子花図」を見るのは初めてである。その前に確か2回くらい見ている。今回いつもとちがって(記憶によれば)1か月とかなり長い間展示されるのは、メトロポリタンから「八橋図」が来ていて並べてみることができるから、特別にということだろう。

よく見ると数年前の印象より少し傷んでいるようにも見える。気のせいならよいが。

メトロポリタンのものは文字どおり橋がかかっていて、「燕子花図」も含めてこれらの画材の由来が理解できるのはよいし、これはこれで、一つ一つの燕子花など、優れたものだけれども、こうして並べてみると、「燕子花図」の突出したデザインがいかに跳びぬけたものか、ということがよくわかる。

特に六曲一双の右側の燕子花群がかなり上に上がっており、対して左側の燕子花群の上に大きな三角形の空間があって、両方とも記憶より偏っているところが、目にしたときの力、バランスを強調する力というかリズムというか、その効果が見事である。

 

そのほかにもいくつか尾形光琳の興味あるものが展示されており、また酒井抱一の「青楓朱楓図屏風」という大きな作品は、抱一にこんなに大胆なデザインがあったかと(銀を多用した驚かされるものはあるが)発見があった。これは個人蔵とかで、どおりで今まで見る機会がなかった。


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