須田国太郎展 (―光と影の命(いのち)― 没後50年に顧みる)
神奈川県立近代美術館 葉山 2012年4月7日(土) ― 5月27日(日)
須田国太郎(1891-1961) はこれまで全く知らない洋画家であった。京都中心の活動であったためと、その交友関係も私の知らないところだったのかもしれない。
スペインに留学し、模写したり研究したりしたようだが、その割には精緻な写実という感じではない。ただとりわけ多く描いている風景画の多くが、青や緑を極力抑え赤や褐色がかかっているのは、変な想像だがスペインの土地の印象が残っているのかもしれない。
印象に残る絵も、赤と褐色主体の風景の、中でも明るくひらけて光を感じるもの(「アーヴィラ」、「ハッカ」など)である。
花は必ず土から生えているものを描いていて、切り花は「静物」というちがうカテゴリーだというのは、なるほどと考えさせられる。