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メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ミレニアム2 火と戯れる女 (映画)

2011-08-20 14:38:34 | 映画

「ミレニアム2 火と戯れる女」 (2009年、スウェーデン・デンマーク・ドイツ、130分)

監督:ダニエル・アルフレッドソン、原作:スティーグ・ラーソン
ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、アニカ・ハリン、レナ・エンドレ、ヨハン・キレン、ペール・オスカルソン、パオロ・ロベルト、ミカエル・スプレイツ、ゲオルギー・スティコフ
 
3部作の2番目、シリーズ最初の映画と同様に原作をうまくダイジェストにして、ヴィジュアルなイメージを膨らませ、また最後はジェットコースター的な楽しみもあるという作品。
 
ただ、第1作は意欲的なジャーナリスト、彼の恋人でもある女性編集者、そして複雑な背景を持つ天才ハッカーの女性(リスベット)が登場、その繰り広げる物語は独立して味わえた。しかしこの第2作はこうして映画で見ると、第1作を読んでないと、特に限られた時間の映画では、わかりにくいところがある。しかもこれはリスベットの過去の説明部分が大きいから、ドラマとしても終盤まではあまり盛り上がらない。
 
最後の30分ほどはさすがに見せるけれども、終わり方も第3作を見てねということが見え見えになってしまった。

リスベット役のノオミ・ラパス、映画の3部作は1年で一気に撮ったようだが、前作と比べると妙に落ち着いたところがあり、それはたいへんな物語の経験を経た後と言えないこともないが、ちょっと切れが足りないようにも見える。 
 
ジャーナリスト(ミカエル)と編集者、後者の夫公認の仲で、スウェーデンらしいところなのだろうか。
この二人のように、若い男女はほとんど出てこない。男女の仲を描いてそれでもというかだからというか、自然なのは、映画ということを考えるとなかなかの作り、といえるかもしれない。
 
ここでかなりキーになる役割のボクサー パオロ・ロベルトは実在の人で、それを原作に実名で登場させたのだが、映画でも本人が演じている。スウェーデンの人が見ると、にやっとするのだろうか。

   

終盤にリスベットとミカエルが使う車はいずれもレンタカーで、リスベットのはVWゴルフ、ミカエルのはトヨタ・プリウスである。原作ではリスベットがトヨタ・カローラ、ミカエルはただVWとある。ほぼ反対になったわけだが、映画で見たときのことを考え、あえてこうしたのだろうか。つまりリスベットには相対的に攻撃的な記号をあたえたというか。