王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

光市母子殺害 無期破棄

2006-06-21 07:07:23 | 社会
無期破棄、死刑の公算 山口母子殺害事件 (共同通信) - goo ニュース

事件の概要は3月15日の記事にまとめてあるし各社の報道に詳しい
簡単に触れると1999年4月山口県光市の団地の一室に当時18歳になったばかりの被告が強姦を目的に入り込み必死で抵抗する主婦(当時23)を絞殺の後欲情を遂げ母親の異状に気が付き這い寄る長女(同11カ月)を床に投げつけそれでも泣きながら這い寄る子を再度投げつけそれでも泣き止まぬので絞殺するという残忍卑劣な事件である

3月14日本件について最高裁の口頭弁論に当りその直前担当弁護士が変わり(後任の人権派と称される)弁護士が多忙を理由に欠席した為口頭弁論が開けず4月18日に延期になった この弁護士の手法そのものと最高裁に於いて(殺人でなく傷害致死と)訴因を争うような発言に大議論が巻き起こったばかりであった

その結論が出たと言う事であろう
最高裁は広島高裁による無期懲役判決を破棄、審理を広島高裁に差し戻すとした
識者の意見でも「死刑以外は考えられない 弁護人が傷害致死とか持ち出しているが現段階ではそのような証拠はない」と釘を刺して差し戻したと論評しているのでまだ時間は掛かるが被告は死刑の可能性が非常に高い

判決を受け被害者の夫であり父親でもある本村氏が判決後のインタビューで語っていた 最高裁が死刑以外考えられないと判断したならなぜ最高裁でそう判断しなかったのか さらに貴重な時間が無駄に流れる 18歳で未熟が死刑判決の理由にならないと明示した点は評価する と語った

穏やかで暖かく幸せに暮らす家族を一瞬の奪われた本村氏の怒りは爺に良く判る 11ヶ月の女の子が孫であるなら爺も犯人を八つ裂きにしてやる

誰の為に何を守るか? 本村氏は家族を守れなかった事を繰り返し悔いているがそれは本村氏に責任があるわけではない 被告が悪いのだ
ではかかる凶悪卑劣な犯罪の犯人がなぜ死刑を以て罰せられないのか?

本村氏の訴えは保守本流の人々には理解しやすい
1)裁判の長期化 7年もかかりようやく無期懲役判決が差し戻された
2)少年法であっても18歳以上の死刑を認めているではないか なぜ被告が無期懲役なのか なぜ死刑にならないのか
  
爺が考えるには以下の様な要因があるのでないか
1)日本の司法制度は戦後特にここ20年来の犯罪の急増(数・質・種類)に対しそれに見合う訴訟手続きが整備されていない ようやく訴訟の効率的運用が問題とされる様になった
本件しかりオウムの松本裁判等はその最たるものであろう
2)立法の精神が時代にそぐわなくなった その例が少年法である 少年法は(識者が語るように)戦後のどさくさで親兄弟親類を失い置き引き、かっぱらい、窃盗など生きる為のやむ終えない行為と見られるものまで厳罰に処すのは酷かろうとの趣旨で刑罰より更生に重点がある しかるに衣食足りて知識も体も戦後の少年とは比べ物にならないほど発達した今の若者を18歳以下は少年と片付けている
3)江戸時代以降、犯罪に対する刑罰は「先例主義」で法律の規定に関わらず「罪の相場」を超えられない(三人殺すと死刑 一人は無期の様に)

近頃「法律に罰則が無いから良いではないか」との抗弁(福井日銀総裁のファンドへの投資に対する政府の対応) 
「法律(省令・政令など)」で決まっているとの強制(中古家電の販売禁止を決めた通産省令、厚生年金の掛け金で担当部局の経費を賄う等)
「法律による根拠さえない」(数日前民主党河村たかし先生の質問姿を見た 都心の豪華議員宿舎建設など)
とにかく為政者層は官僚主導に乗り法があってもなくてもやりたいようにやって国民を良いように おちょくっている

結局「三権が分立」して相互に監視、規制が効かず一方の指摘を他方が「越権」とか「干渉」或いは「憲法違反」とか声高に叫ぶ所に問題がある
爺は思う
天皇陛下は戦後政治から身を引かれ象徴として日本文化と伝統を体現されている
政治の実務は日本国摂政大臣を任命して「司法・立法・行政の三権」を総覧し三権のそれぞれが及ばぬ領域を他を以て補わせる権能を持たせないと国民の意思が体現できない 目下その職種がないので本村氏の怒りを最高裁が斟酌すると「世間の風にあおられて、おもねって」とか「素人が口出す問題でない」との玄人論がでる
国民は主権者である 主権者の意思の集め方が問題であろう
写真は本村氏
コメント (10)
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