Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

月刊誌「新潮45」の休刊に思う事

2018-09-26 21:35:57 | 社会・経済

一世紀を超える歴史を誇る老舗大手出版社 (株)新潮社の月刊誌「新潮45」が、この 10月号をもって休刊するという。この事を、素直に残念に思う。

前世紀末以来続く 出版不況に煽りを受けての部数低迷に伴うとかで「編集上の無理が生じ、企画の厳密な吟味や十分な原稿チェックが疎かになった」事を背景とする様だ。伊藤幸人・同社取締役は 9/25(火)夜の報道各社向け応対で、佐藤隆信・同社々長と編集担当役員を 3か月間の 10%減俸処分とすることを明らかにした由。編集長らの処分はないが「休刊は、大変な苦渋の決断。その重みをお分かり頂きたい」とした。

この事態は、同誌 8月号の特集で取り上げた 杉田水脈(すぎた・みお=女性)自民衆議の論文が、性的少数勢力 LGBTの各位への「生産性がない」などとした文面が不当であるとして批判されるも、10月号で杉田衆議擁護の特集を載せ、更に大きな批判を招いたとされるもの。9/21(金)には「常識を逸脱した 偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」とする、佐藤社長の声明が発出された。

(株)新潮社は 9/25発表の文書で「このような事態を招いたことについておわびする」と正式に謝罪。休刊について「会社として十分な編集体制を整備しないまま、刊行を続けてきたことに対して 深い反省の思いを込めて決断した」と説明している・・とここまで見て来ると、何やら昨今増えた、各種製造業・大手メーカーの検査態勢にまつわる不祥事と印象がダブって仕方がないのだが。あ、新潮社も「老舗にして大手」だったよな。では次に、有識各位のご見解を伺うとするか。

❮出版社の責任を放棄❯ 前述の 10月号特集に寄稿した教育研究家 藤岡信勝・元東大教授の話「新潮社の声明には特に『常軌を逸脱した偏見」があったとしているが 7人の筆者のうち誰のどの部分が該当するのか明らかにしないのは卑劣だ。また 圧力をかければ、雑誌の一つくらい吹っ飛ぶ、という前例を作ってしまった。言論の自由を守るべき出版社の責任を放棄している」

❮論戦の場失い損失❯ 過去に「新潮45」に連載を持っていた評論家 武田 徹・専修大教授の話「今回の企画が 弱い立場の人たちを傷つけるグロテスクな言論であったことは認めざるを得ない。雑誌ジャーナリズムは、人間や社会の醜い部分を敢えて見せ、議論を巻き起こすことで存在価値を示す傾向があったが、徐々に節度を見失った面があったのだろう。とはいえ、言論を戦わせる舞台としての 雑誌の存在までなくした損失は大きい。批判する人たちは、同時に反論の場を用意するよう求めるなど、慎重な対応があってもよかった。議論はまさにこれからなのに残念だ」

❮圧力強まる契機に❯ 近現代史研究者 辻田真佐憲さんの話「いきなり休刊という対応は極端だ。次号で編集長の見解を示したり LGBTの問題に理解のある人物に寄稿を求めるなど多様な意見を紹介したり、言論で対応すべきだった。杉田水脈衆議も何の反論もしていない。今回の件は言論弾圧ではないが (10月号特集にも加わった)小川榮太郎さんらを支持する人々には、そう主張する口実を与えることになる。「何か問題があったら即休刊」なら、今後リベラル系の雑誌が問題を起こした時も、圧力が強まる結果になるだろう」

前出三氏のご見解を通見して参ると、それぞれに個性から来る癖や粗はあるにせよ「新潮45」が、雑誌メディアとしての本来の使命まで放棄してしまった感がある所のご指弾は共感できるものだ。杉田衆議の問題言動にも通じるだろうが「新潮45」制作編集陣にしても、心底から差別(ヘイト)的姿勢があったかは疑問符のつく所。ただ、表現のあり様は明らかに問題あるもので、杉田衆議共々 そこの所の謝罪と訂正がなかった若しくは遅れた事と、それらが表されないまま 反論の特集記事が発出された事が、少数勢力の反感と批判を招いたのだろう。

偏見覚悟で申せば、拙者は武田専大教授に近い立場だが、出版社の責任のあり方に疑問を呈された藤岡元東大教授や、対立側のメディアが問題を起こしたら同様の事象となる事を懸念される 辻田さんの見方にも勿論留意するものだ。こうした動きは、実はネットの世界では 今夏実際にあったとされる。左傾勢力の間では未だ得意気に語られているとされる、少しでも差別的言動のありそうな保守側の言論サイトに、適切を欠く様な管理人通報などで攻撃し閉鎖に追い込む所謂「BAN祭り」と呼ばれる行為がそれ。

辻田さんが懸念される「言論弾圧」手前の際どいものだったらしい。同氏が心配されたのは、対立する保守側の動きであり、実際に生じる可能性は認めるが、それは「逆も又 真なり」だろう。むしろ、ネット上の前述の動きや、最近しばしば明るみに出る 旧極左過激勢力の動向とも無関係ではない様な気がする所だ。今回の休刊劇に際し、差別的言動に反応して声を上げた少数勢力が一定あったのは事実だろうが、新潮社の広告板が落書改竄被害にも遭っており、これなどは到底少数勢力のした事とは思えない。むしろ弱者を政局利用しようとする、旧過激派を含む左傾勢力による可能性大では?

我々に近い保守勢力側も、そうした事象に留意しながらネット言論に向き合った方が良いだろう。全部は無理にしても、前述の様な「身近なサイバー攻撃」は日常レベルで起こり得るものになっており、もうお互いに無関係ではないという事だろう。某野党参議と「左巻き」市民勢力の会話ではないが、我々も、少しでも言葉を初め表現方法を磨き「隙のない、賢い言動」ができる様になりたいもの。今回画像は今夏、神奈川・小田原駅にて東海道新幹線から乗り換え、新宿を目指した折の小田急電鉄新特急車 GSE70000系編成の模様を。魅力の前部展望室着席は叶わず、又の楽しみです。以下に、関連記事をリンク致します。(私的憂国の書様)  http://yukokulog.blog129.fc2.com/

コメント (2)
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