少数与党に転落の、石破政権は野党側にも政権安定の為の協力を打診している様だ。ひとまずは 来月初旬の首班指名選挙に向けた動きだろうが、石破総理に楽勝はないだけに 結果が注目されよう。
一方の第一野党・立憲民主。野田執行部も今回の議席増は自民側の不心得や不行き届きによる「敵失」である事は理解している様で、決して状況を楽観している訳ではなさそうだ。
自民、立憲民主の双方共、政権安定化もしくは交代を図っての他党派協力願いに奔走している感もするが、それには程遠い趣というのが素直な所だろう。
末尾リンクの関連記事に譲る所もあるが、与党自民敗北の原因は 石破総理の指導力不足だけにあるのでなく、対する立憲民主の伸長も 総理経験ある野田党代表の力量だけでないのも事実。政権交代を目指すにせよ、不安要素は隠し様がなかろう。以下 今朝の読売新聞ネット記事を引用して、みて参る事に。
「立民、高揚感なき大幅増『有権者にあったのは 自民への怒りだけ』・・野党連携の先行きに不透明感も」
「政権交代前夜という言葉に 間違いなくリアリティー(現実感)が出てきた」
立憲民主党の 野田(党)代表は 10/28の記者会見で、与党が過半数割れとなった衆院選をこう評価した。
立民は 148議席と 公示前から 50議席の大幅増となった。ただ、党幹部は 20議席弱を取りこぼしたと悔しがり「自民党をもっと追い込めたはずで 高揚感はない」と明かした。
全国の比例選の得票は 今回(約)1156万票で、惨敗した 2021=令和 3年の衆院選からの上積みは(約)7万票にとどまった。それでも議席を増やしたのは、政治とカネの問題で 自民党に激しい逆風が吹き、小選挙区での勝利が前述年の 57から 104に急拡大したためだ。
石破首相(自民党総裁)は選挙中「自民の候補者に おきゅうを据えたいという国民の気持ちが強すぎる」と周囲にもらした。返り咲きを果たした立民の中堅議員は「有権者に立民への期待があったわけではなく、自民への怒りがあっただけだ」と指摘した。
野田氏は今後、少数与党に陥った自民と対峙(たいじ)するため、野党をまとめていく手腕が求められる。 10/30には 日本維新の会や共産党との党首会談が予定されているが、野党第二、第三党の 維新と国民民主党は 政策によって与党とも連携する路線を掲げ、立民と温度差が大きい。維新と国民は、憲法や外交・安全保障、エネルギーなどの考えが立民と異なることも問題視し「基本政策の協議と一致が不可欠だ(国民、玉木[党]代表)との立場をとっている。
野田氏は 衆院選では、党綱領にある「原子力発電所ゼロ」などは曖昧にし、現実路線で穏健派保守層の支持を呼び込んだ。今後は 党内左派の反発も招きかねない政策の見直しに正面から取り組まなければ、立・維・国関係の構築や 来夏の参院選での支持拡大はおぼつかなそうだ。
立民内には、内閣や閣僚への不信任決議案を連発するなど「国会戦術で徹底的に与党を揺さぶるべきだ」という主戦論がある。立民の前身である民主党は 2007=平成 19年参院選で躍進し、衆参の多数派が異なる「ねじれ国会」が生じた。(旧)民主は 法案や国会同意人事などの駆け引きで自民を追い込み、2009=同 21年衆院選の大勝、政権交代につなげた。ただ 国政をいたずらに停滞させれば、維新と国民は さらに立民と距離をおきかねない。野田氏が目指す 野党連携の先行きは不透明感を増している。(引用ここまで)
広く知られる様に 石破総理は与党自民内での人的浸透が弱いとされるが、形こそ違え 野田立憲民主代表も他党派との連携においては、近い弱点を抱えられているのではないか。
首都圏の比例復活で衆院入りの 有田芳生(ありた・よしふ)元職を含め、特に参院の立憲民主議員には左派色が濃いとされる。この層が所謂「主戦論」を強硬に唱えている様だが、もしそんな声に押されるなら 悪名高い「立憲共産党」の再来を招きかねないのではないか。いや、参院の同党はそのものか。失笑
「立憲共産党の言葉を使ってくれるな」との同党幹部の声も聞こえる所だが、事実は事実だから仕方がない。「対決よりも解決を」とは 玉木国民民主代表のお言葉だと記憶するが、立憲民主にその様な謙虚さがあるのか?甚だ疑問だ。
もしかしたら再びの総理ともなり得る 野田党代表を以てしても、そうした危険個所を抑え込んで今の難しい情勢に立ち向かえるかは やはり疑問符が付く所だろう。そも、具体的な政策論さえ明らかにはされていないではないか。
衆院の勢力的には伸長した立憲民主党だが、何度振り返っても やはり与党自民の自滅的敵失と、有権者各位の「消去法の選択」による所の感が拭えず、野田党代表が図る政権交代には程遠いレベルと拙者などはみるのだが。今回画像は 今月訪ねた当地東郊、静岡との県境に近い 浜名湖畔の JR東海道本線を西下する長距離貨物便の様子を。以下に 関連記事をリンク致します。「私的憂国の書様」