先日生じた 中国大陸・華南地方にての日本人学校向け送迎バスが襲撃された件。制止を図ったとされる現地人関係者が落命された由。事実上の殉職か。まずは一言の弔意を申したい。
日本人学校の生徒父兄も複数が負傷の由で、遺憾の一言だ。加えて 中共政府から容疑者の犯行動機や背後関係についての説明が今も表されないのも甚だ疑問。不透明な状況が続く様なら、我国側も外交問題とすべきではないのか。
不透明といえば、去る 2018=平成 30年に能登半島沖にて生じた、大韓民国軍による 対自衛隊機軍事レーダー照射事件も表立った説明がないまま、日韓政府レベルにて再発防止文書が交わされ発効したとか。これは悪手と言って良いのではないか。
不穏な出方にはその動機や背後関係を徹底して追及の上、我国側が十分理解できる説明を要求すべきはずだ。この辺りの事につき、先日のデイリー新潮ネット記事を引用して みて参る事に。
「[レーダー照射事件] 韓国は "まったく認めない" のに・・岸田政権が『日韓合意せざるを得なかった事情』とは」
日本海で 韓国海軍駆逐艦による、海上自衛隊 P-1 哨戒(しょうかい)機への火器管制レーダー照射事件が起きて およそ 6年。6/1、日韓の防衛相が会談し、再発防止策で合意したものの 自民党内では不満がくすぶっている。
「さまざまな証拠から照射は明らかですが、韓国は一切認めません。、結果、事実の解明には至りませんでした」と言うのは政治部デスク。
「6/5 の自民党本部での会合では、岸田文雄総理に近い 小野寺五典(おのでら・いつのり)元防衛相が ”両国でしっかり議論ができる環境になった” と合意に理解を示しました。それでも出席者からは ”ウヤムヤにすれば、今後も韓国にウソをつかれる” との強い懸念が示された。厳しい空気に気(け)おされたのか、小野寺氏は ”この”案件は 決して忘れてはいけない” と慌てて付け加えていましたね」
「韓国と合意しなければならない ”事情” 」
日本と韓国は ともに米国との同盟国。価値観を共有するはずの ”友好国” を相手に、武器使用の宣言に等しい 火器管制レーダーの照射はあまりに常軌を逸した行為だ。自民党議員の怒りはもっとも゜ながら、それでも日本には韓国と合意しなければならない事情があった。外務省幹部が解説する。
「バイデン政権は 日米韓 3カ国の連携強化に熱心なことで知られます。昨年 8月、岸田総理と 尹 錫悦(ゆん・そんにょる)韓国大統領を(米国)大統領専用の別荘地キャンプ・デービッドに招待したのも、日韓の防衛当局間で問題解決が一向に進まないことに不満を募らせていたからといわれています」
ロシアへの軍事援助の見返りに得た技術をもとに弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に、米国は神経を尖(とが)らせている。日韓の ”不和解消” は急務だった。
「レーダー照射を受けた時、海自機は韓国艦艇の周囲を低高度でグルグルと飛行していた。そもそも日本側も、中国(大陸)やロシアなどの ”敵国の船” を対象にする行動を取っていたのです」こうした経緯を把握していたことから、バイデン政権は日韓両国に けんか両成敗のような格好で和解を促したというのである。
「6年前の 安倍総理の対応は?」
事情に詳しい自民党ヴェテラン議員が後を引き取る。
「とはいえ、事件直後は韓国も事態を深刻に受け止めているフシがありました。水面下で ”国内で調整する時間をくれ” と打診してきましたからね。ところがこれを 安倍晋三総理(当時)が突っぱねたのです。
この頃、韓国は親北派で知られた 文 在寅(むん・じぇいん)政権だった。
「文政権の北寄りの姿勢はひどかった。例えば国連安全保障理事会による経済制裁を逃れるため、北朝鮮船舶は ”瀬取り” と呼ばれる洋上での物資積み替えを行っています。それに韓国政府が関与している可能性が、海外の団体から指摘されていたほど」
振り返れば日本は、いわゆる慰安婦や旧朝鮮半島出身労働者(徴用工)の問題などで、都合が悪くなると ”ゴールポストを動かす” 韓国に振り回されてきた。
「腹に据えかねた安倍政権は、勝手な韓国の申し出には取り合わず、先んじて照射の事実を発表した。これで韓国は 引くに引けなくなったとみられています」
海上自衛隊幹部はこんな意見だ。
「哨戒機の低空飛行は、韓国軍の艦艇に不審な動きを確認したためのもので、正当な監視行動に過ぎない。”撃つぞ” と脅すような火器管制レーダーの照射と同列に論じるには無理があります」
事実関係の解明は棚上げされ、岸田政権はまたも説明不足。政権支持率の低下はやむを得まい。(引用ここまで)
やはりこの火器管制レーダー照射事件は、事実関係解明に向けた対韓要求と共に、我国側も解明への執念を示さなければならないのではないか。その辺りを曖昧にしたままで、再発防止文書を発効させた所で「又 嘘をつかれるのでは?」との記念に応えるのは無理があろう。
一つ、面白い情報に接した。著述家・櫻井よしこさんらのお話から、前述照射の挙に出た韓国軍の背後で 北鮮の軍事情報筋の動きがあったというのだ。未確認情報につきこの辺りまでとするが、事実なら当時の韓国軍関係が北鮮に通じる所があり、それが事件に繋がった可能性もあるかもという事だ。
昨日今日は 林内閣官房長官からも、日朝対話の可能性が示されたとか。そうした動きや安保面の対米連携とかを支障したくないからとの意図も感じはするが、我国の安全を脅かしかねない 前述事件の事実解明がされないとは何とも釈然とせずだ。
妥協優先の感ある岸田政権には最早無理かもだが、拙的には明解な説明を求め続ける必要ありと心得る。今回画像も振り返り恐縮。先年訪ねた 三重南勢の熊野灘に近い内海の様子を。手前の線路は JR紀勢本線で、通る特急「南紀」の編成は、現在は世代交代済。