コナサン、ミンバンワ!2014=平成26年4月も、後一日となった。晴天に恵まれた先週末とは一転、降雨の一日となったが、岐阜の悪友が、拙誕生日記念の酒席を設けてくれ、中々に良い感じの一時ではあった。又、拙誕生日の祝賀メッセージを下さった方もあり、厚くお礼を申します。明日の4月最終日も、もう一日降雨の様だが、5月初めの連休後半は、再び概ね晴天に恵まれる様である。
さて話は変わる。先日、俺の所へも日本年金機構より「ねんきん定期便」が送られて来た。良く知られる様に、行政に関する情報公開の一環として実行されているもので、以前の原則非公開(社会保険事務所に出向いて要請すれば、その状況を事務所内で本人に限り閲覧する事はできた)に比べれば一歩前進だが、既に欧米先進国では当たり前の事となっており、国民市民の側に立った情報提供のあり様は、まだまだ後追いの印象ではある。
その年金、納付と給付見込みの関係を見ると、納付済み金額は、給付見込み額の約、数年分に過ぎず、平均寿命のほぼ80年間生きると見込むと、約10年分も不足する事となる。果たして、この不足分をどう手当てするのかが国家的課題と言われている。既に一昨年辺りと比べても、納付額が次第に増えているのとは裏腹に、給付見込み額は減額の気配が見られる様だ。この先も、直ちに若年人口が増える気配はなく、そうかと言って、安易に海外よりの移民を広く認める訳にも行かず、高齢人口が増加すれば、年金を初めとする社会保障予算は、益々その健全性を維持できなくなるであろう。我国の現状の年金予算が、国民市民の現役期に積み立てた額を原則上限に、分割して受給する積み立て方式ではなく、毎年度の予算から調達する賦課方式である事も、経済が減速した今となっては問題だろう。
今月よりも、社会保障向け財源としての消費税が5%より8%へと上方改定され、経済状況が許す様であれば、更に原則10%への再改定が予想される。年金を初め、社会保障予算が圧迫されている止むを得ない所あるとは言え、我々国民市民向けの情報開示は不十分であり、今後はもっと分りやすい情報開示と説明が、強く求められる事だろう。詳しい状況も分らずに、税率ばかりが上がって行く様では、納税者の多くは得心できないであろう。
同時に、増額された税金の行方にも、強い関心を払うべきだろう。建前上は、消費税は全額年金など社会保障向けに使途が限られているのだが、巧みにそれを装い、実は公共工事などに流用しようとする不良な動きもある様だ。例えば、我国の尊厳と海底資源などを守る防衛関連予算が一定限度必要であるのは分るが、消費増税分が不適切に流用されぬ様、国民市民サイドも監視をして参る必要があるだろう。又、国会議員や監査グループなどは、必要とあれば、国会にて勇気を以て疑問を呈し、税金の使途が適正か、糾す事も必要となろう。各個人レベルにて、個人年金などで公的年金の不足を補う心がけもそれは必要だろうが、まずはそうした努力を行い、少しでも社会保障予算の可視化を図らなければならない。その結果、一定の更なる増税が必要となれば、それが明らかな根拠のある誠実な説明があれば、国民市民もその事を受け入れる姿勢を見せる事だろう。もう一つ、年金予算の悪化を抑止する見地より、米合衆国にて一般化している確定拠出年金(この制度によれば、政府主導で行われる、年金資金の運用益捻出を、国民市民の自己責任にて行う必要がありはするが)への一定規模の移行も視野に入れなければならないかも知れない。
公共工事で思い出される事だが、民業の建物工事より、公共関連のそれは、工事の進捗が総じて遅いそうだ。当地名古屋でも、今年初より、もう数か月も道路の車線規制を伴うビル工事をしている所があり、車で通る度に「いつまでやってるんだ?」とイライラさせられるのだが、ある文献によると、技術的には速く進められる工事であっても、選挙対策などの政治的理由により、工事が大きく遅れる事があると言う。具体的には、工事期間が長ければ、その間一定の雇用が見込まれ、その工事が国会議員などが関わっていれば、その議員の選挙票が確保し易い事情がある様だと言うのだ。つまり、完成してしまえば政治的な旨味が減殺されるので、わざと工期を遅らせるケースがあるらしい。その分、工事コストがかさ上げされているのは申すまでもない。財政危機が声高く叫ばれる今日、こんな恣意的な「無駄」が許されるべきではないと強く思うがどうだろう。(4/29記)