「中央官僚の好かぬ政策は、一切やらぬ野田政権」先日も紹介した、あるTV司会の方のお言葉が、いよいよ現実味を持って、重みを増して来た様だ。今、俺はこの文言を改めて噛みしめ、しかと心に留めておこうと思う。再来年よりの、消費税の二段階上方改定をメインとする社会保障と税の改革案は、(先の震災復興増税法制の時もそうだったが)結局民意を充分に汲まぬまま、自由民主と公明の両党、それに陰で膳立てをしたとされる、財務当局とのほぼ密室談合に近い形で衆議院に上程、事実上強行採決され、通過を見た。この手法に憤り、反発もした与党の一部議員各位は、離党を視野に入れながら行動をされている様だ。あの小沢元代表が中心のグループだけに、賛否両論はあろうが、党内意思をまとめる力量もない民主党執行部に、党議拘束をかけたり、造反党員を厳罰に処する資格などない。それどころか、政権を担う力も最早ないのではないだろうか。かくなる上は、民主党造反勢力も、あくまでも自らの信念に基づいて行動し、早期の衆院解散総選挙へと繋げ、改めて信を問う態勢に持ち込める様お願いしたいものである。
又、昨日今日は、我国有力企業の株主総会が集中開会、特に昨日は、先の震災に絡み、原子力政策に揺れる大手電力企業の総会が揃って開かれたが、会社寄りの所謂「サクラ株主」が多く乗り込んでいたらしい事もあり、本当は少数でない脱・原発株主の主張は、その多くが退けられた様だ。勿論遺憾ではあるが、こうした動きが、今までの電力企業のぬるま湯的環境に風穴を開け、厳しい競争に晒して更なるユーザーの利益に近づける方向に変わって行く事を、併せて祈りたいものであります。
さて、6話目を迎える五条河原落書、冒頭のこうした事共も含め、源 義経と武蔵坊弁慶、それに特別登場の、大黒こと大国主命の各偽!者達に、会話を譲りたく思う。
朝食の後一旦は解散した義経と弁慶の両偽!者達。その日の夕刻、集合場所の五条大橋上にて立ち話をしていた。ネタは、とあるマニアックな劇画の筋書きよりである。
偽!義経「済みません。18禁を、チラッと見ても良いですか?」
偽!弁慶「又ですか?(半ば呆れ顔) 今日が初めての事ならば、拙者はそんな画像をお見せするのに、吝かではありませぬ。しかして、殿は昨日も一昨日も、チラチラ、チラチラ、チラチラ、チラチラ、チラチラ、チラチラ、チラチラ、チラチラ、チラチラ~!チラチラ~!チラチラ~!チラチラ~!チラチラ~!チラチラ~!チラチラ~!チラチラ~!・・・と、穴が開く程執拗にご覧になってるじゃありませんか~!?」
偽!義経「ちょっと位良いじゃ~ん!」と喚きながら、偽!弁慶の隠していた袋より、18禁雑誌や写真集を橋上にぶちまけにかかる。
偽!弁慶「あ~っ!コラコラ!見られてはまずい物をぶちまけちゃダメ!見られる見られる!恥ずかしい!殿!ワシの斬りつけより質が悪い~!」
偽!義経(お構いなしに)「ええじゃないか、ええじゃないか、ええじゃな・い・か~!笑」更に続ける。
両者、遂にあの時の対峙の様に、形こそ違え(但し数等レベル落ち)、揉み合っている所へ偽!大黒が登場。「ゴルァ~!」
偽!義経「あっ、だ・・・大黒様。」 偽!弁慶「へ・・・陛下。」大慌てで片付け・・・苦笑。
偽!大黒「ハハハハハハハハ!又、刃傷ですか?そなた達は、こんな言葉を知っていますか?『中央官僚の好かぬ政策は、一切やらぬ野田政権』ってね。」
偽!義経「いやぁ~、大黒様には叶いませぬなぁ。ですが、そのお言葉、手前共も伺いましたぞ~。なあ弁慶。」
偽!弁慶「殿の仰る通りでして~、拙者も伺いましてござります。先日の、国会衆議院のあの増税法案採決は、本当に遺憾でしたなあ。」
偽!大黒「本当にさぁ、あの協議や採決のあり様は、到底我国の民意を汲んだものには程遠いよな。中央の官僚の都合だけが優先してしまっとる。『初めに増税ありき』で、社会保障関係をどう変えるかとかのビジョンとか、歳費の抑制にどう取り組むかの具体的姿勢が見えないままやからな。」
偽!義経「それに、税制の方にしたって、消費増税の前にやる事があったはずじゃないですか?欧米諸国じゃもう常識になってる、納税者番号制の実施に道をつける事こそ、野田政権が政治生命を賭してやるべきやと、それがしは思うんですがね。」
偽!弁慶「殿に激しく同意です。一部の富裕層にとって都合が悪く、又、霞が関の種族にとっても具合が悪いらしいですな。でもって、そう言う事への取組みは、やる気なし。結局は、与し易い消費増税に流れてしまいました・・・と。嘆」
偽!大黒「それに、消費税の立ち上げや、上方改定の折には、必ずその規模に見合った減税措置が取られ、重税感を和らげて来たものだ。今回の改定は、それがない。そう見ると、民主党政権は、以前の自由民主党政権より無能やないかと思うてしまう。そなた達は、そう思わんか?」
偽!義経「いや、そう思いますよ。仰る事を伺ってると『言われてみれば』と言う感じが多々ありますね。それと、消費増税に固執する一方で、最低保障年金みたいなバラマキ策にもしがみついてる。もう財源の手当てができないなら、国民市民へ向け『最早できない』と一言申した上で、政権公約マニュフェストを取り下げるべきや思いますね。」
偽!弁慶「皆様のお話を伺った上での事ですが、そも年金ってのは、若い内に自らで資金を積み立てておき、高齢になった時の生活原資として受け取れるって性格のものやと心得ます。最低保障年金は、そうした努力を怠った者に対しても、支給を約束するものですね。これは、ちとおかしい。少なくとも拙者はそう思います。」
偽!義経「財源の面考えても、そんな支給は無理だよな。そもそも、国民年金の国庫負担割合を1/3より1/2に改定する構想の時点で、消費増税は避けられないとの見解が出てたんだ。これを見ても、民主党マニュフェストは大甘やったと言わざるを得ないな。」
偽!大黒「皆ももう知っとる思うが、歳費抑制の面だって、ろくに斬り込んでない印象だ。共済年金と厚生年金の統合とか、議員歳費の見直し、それに、機能面が疑わしい参院を今後どうするかとか、国民と政治・行政を担う者の双方に公平に負担が行かなければ嘘や。それができて初めて、増税云々も問題にできるってもんだろ。」
偽!義経+偽!弁慶「大黒様のご見解に同意です。初めにやるべきを差し置いて、与し易い消費増税に手を出せば、それは自党だって分裂しますわな。」
偽!大黒「と言う所で、そろそろ暗くなって来たな。ここよりは場所を変えて、引き続き話し合う事としたいがどや?」
偽!義経+!弁慶「我々も同意です。余り遠くない所で、一席設けたいですな。」
3人は、加茂川近くの馴染み処へ移動を開始するのであった。以下次号。本編は、フィクションであります。