「クリスマスの鐘」という絵本を読んだことがあります。
昔々、アメリカのある町に大きな教会がありました。高い塔があり、立派な鐘がつるされていましたが、鐘の音を聞いた人はありませんでした。「今年のクリスマスこそは、あの鐘が鳴る音が聞けるかなあ?」と町の人たちは期待していました。さて、この町のはずれの小さな村に、ペドロという男の子と弟がいました。二人ともにぎやかなクリスマスを楽しみに教会へ向かっていました。町の入り口に着いた時、二人は女の人が倒れているのを見つけました。このままほっておいては死んでしまうので、ペドロはポケットから銀貨を取り出すと、弟に差し出し、「一人で教会へ行って神様にささげなさい」と言いました。教会にはたくさんの人が来ていて、素晴らしい贈り物をして、鐘を鳴らそうとしていましたが、鐘は鳴りません。最後に王様が、金の冠をささげましたが、それでも鳴りません。人々があきらめた時、鐘が鳴り響いたのです。誰が鳴らしたのかと皆が振り向くと、ペドロの弟がはずかしそうに立っていました。
2012/12/9