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無届け老人ホーム ずさん経営「夜逃げ」 高齢者置き去り?

2008-09-04 10:45:45 | 介護保険制度って!なに?
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 福島県は5月、いわき市の有料老人ホーム「シルバーレジデンス」の運営会社に改善措置命令を出した。無届けで、経営陣が入所者を置き去りにするなどずさんな運営だった。その実情からは、高齢者福祉が抱えるあやうさが垣間見えた。

 発覚のきっかけは、電気料金滞納だった。

 JRいわき駅から徒歩5分の3階建てビルを東北電力社員が訪ねたのは昨年9月26日。「ディサービス南町」の看板がかかる玄関から中を呼ぶと、2階から現れた男性が言った。「電気を止めないでほしい。生命維持装置を付けた人がいる」。そこにいたのは、身寄りのない66~91歳の男性1人、女性5人。要介護度は3~5で、歩くのもままならなかった。

 運営会社は市内の「有限会社ワールドアシスタンス」。06年7月、かつてビジネスホテルだった築25年のビルを月130万円の家賃で借りた。

 1階はデイサービスセンター、2階が「老人ホーム」、3階が会社事務所として使われていた。

 エレベーターはなく、荷物搬入用に車庫を改造して取り付けた工事用昇降機が、車椅子の入所者の移動にも使われた。ヘルパーらが詰めていたが、部屋にナースコールはなく、夜間はドアが開け放たれていた。

 家賃も払われなかった。経営陣が入所者を残していなくなった9月14日時点で滞納は約1800万円。事務所には、ジャージーや靴下が脱ぎ捨てられ、ゴルフボールや書類が散乱していた。夜逃げを思わせた。

 その日から、東北電力社員が訪れるまで12日間。かつて勤務していたホームヘルパーらが交代で面倒を見ていたことで、幸いに入所者は事なきを得た。

     ■

 ワールド社は04年4月、市内で病院を経営する院長(51)が、訪問介護などの居宅サービスを目的とする「メディカルサービス法人」として設立した。当初、別の場所に木造平屋の「宅老所」を開き、病院の患者で身寄りのない人たちを住まわせたが、老人福祉法改正で、有料老人ホームの届け出が必要になったため、旧ビジネスホテルを利用することにした。

 入所者には、2階の部屋を「賃貸アパート」として住民登録させた。家賃は生活保護受給者が月3万円、最高でも6万円。元社員は「1カ所に抱え込めば介護報酬も医療費も稼げるから、一石二鳥」と解説する。

 入居者の要介護度は平均4。1人当たりが利用できる介護保険サービスの限度額は毎月30万6000円(自己負担1割)で、身寄りのない人を礼金・敷金なしで入居させても元は取れる。生活保護者の場合は、医療費が公費で負担される「上客」。ワ社に支払われる介護報酬は一時、月500万円にも上ったという。

 だが、院長が昨春ごろから、「サービスが劣悪になった」として、施設を利用していた患者を引き揚げ始めた。最大約20人いた入居者は激減、ワ社は従業員の給料も支払えなくなった。本当の理由は双方の言い分が食い違い、やぶの中だ。

     ■

 ワールド社の実質経営者は取締役(59)だった。主に80~90年代、新潟市の弁天橋病院(当時)など経営難の病院乗っ取りを繰り返し、その過程で中心人物らが刑事責任も問われた「新田グループ」との関係を認める。「頼まれて病院の経理を調べたが、犯罪には関与していない」。院長との関係は10年以上前、「病院経営のことで相談を受けて縁ができた」という。

 「法律(老人福祉法)が変わったから、老人ホームでなくアパートにした。届け出は必要ない。行き場のない人を低家賃で入れた。それが問題なら、なぜ罰せられなかったのですか」

 「医療介護経営アドバイザー」の名刺を持つ取締役は、法律を知り尽くしている。福島県の中井重幸・高齢福祉課長の言葉が、それを裏付ける。「県は有料老人ホームだと認定して調査に入ったが、その届け出がない以上、相手が『老人ホームではない』と主張すれば、裁判で争ってみないと分からない。それでも今回何もしないと、行政の不作為になってしまう」

 置き去りにされた6人は別の施設に移ったが、当時、県の担当者に「身寄りのない者を預かってもらい、ありがたかった」などと、感謝の気持ちを示したという。結局、誰も責任を問われることはなく、老人ホームは既に閉鎖され、ビルは今、競売にかけられている。

 厚生労働省の集計では昨年7月現在、31都府県で501の無届け有料老人ホームが確認されている。

==============

 ■ことば

 ◇老人福祉法と有料老人ホーム
 06年4月に老人福祉法が改正され、有料老人ホームは1人でも入居者がいれば都道府県への届け出が義務づけられた。従来は10人以上だった。入所者に(1)食事の提供(2)介護の提供(3)洗濯、掃除などの家事(4)健康管理のいずれかのサービスを提供する施設を指し、07年7月現在、全国に2846施設あり、法改正前(05年7月)の1418施設から倍増した。
(2008年8月31日 毎日新聞東京朝刊)

有料老人ホーム?は未だに不透明な部分が多い。今後も新築・増設されてくるのかな?と思うと心配である。立場の弱い高齢者が根こそぎ財産等を奪われて、路頭に迷うと大変である。また、「高齢者賃貸住宅やアパート、マンション」なども怪しいものもある。当然、ほとんどの経営者・管理者はキチンと運営されている。全国で突出した一部の管理者が問題となり事件になっている。その最後処理は悲惨である
個人情報保護法の順守をしながら、運営の透明性は必要である。第三者機関を導入するなどして、常に現状を検証しながらクリーンな経営を期待したい

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4 コメント

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そんな・・・ (tweety)
2008-09-04 23:15:12
有料老人ホーム。。私の祖父母も選択としてるだけに私も見せてもらいました。
高いけど、それなりのケアをしてもらえると思って入れてるはず。
そんなんじゃ困りますよね。
確かに、経営難も出てくるのもわかります。
ただほったらかしってどういうことでしょ・・
不幸中の幸いといいましょうか・・誰も命にはまだ別状がなかったわけですよね。

調査もなかなか踏み入れられない・・かなりの盲点が多いですね・・
自分も身をおいてる介護業界だけに・・心配は尽きません・・
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事件は現場で起きている (渡邉明)
2008-09-05 03:11:11
県より老人福祉法に基づき改善措置命令を出したと5月14日の新聞で知りました。現場に行ってみましたが、看板はあるもののデイサービスはすでにありません。廃業したのでしょうか。周辺は、いわき駅から近いのですが、メインロードから一本はづれた人通りのないところ。4月に、岡山県津山市のNPO法人の運営のグループホームが、入所する認知症の高齢者に十分な食事を与えず、衰弱していることを把握しながら放置し、虐待していたというニュースがありましたが、発覚が遅ければ、最悪のことになっていたかもしれません。なんで今頃改善命令なのかとおかしく思っていましたが、この記事でなるほどと思いました。ちなみに、「事件は現場で起きている」の、映画「容疑者室井慎次」の映画撮影が、近くでセットを組んで以前行われました。
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Unknown (きむら社会福祉士事務所)
2008-09-05 10:58:42
本日、総務省の調査・・、改善勧告!の記事も発見したので投稿しました。国・行政は気が付いているのでしょうね。民事介入できないとかの理由で放置しておくのかな?いつものパターンです。総務省に任せず、厚生労働省とか、警察とか、税務署とか・・。連携・協力関係はどうなっているのでしょうかね。縦割り行政の批判は、虚しいのですが。消費者庁が対応してくれるのでしょうかね。寂しい限りです。
こうした確認・チェック機能の役割を、社会福祉士のような専門職に委託して頂きたい気がします。第2種社会福祉事業届出をしているのですが、これが生かされるように頑張りたいものです。将来は、地方分権の権限の範囲で可能になると良いですね。届出義務→定期的な確認や報告書提出→訪問調査・・・?必要だと思います。個人様の住宅だし、プライバシー保護も大切、なかなか敷居が高く、訪問できない現状もあります。この機会に透明性を担保するような「有料ホーム」に変わってほしいものです。
コメントありがとうございます。
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ggd@gub.com (有料老人ホーム)
2008-10-15 11:50:02
選別するケースもあります。重度の認知症や、見学や体験入居の段階で協調性がなく共同生活を送れないと判断された場合、入居を断わられる場合もあります。
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