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集団移転希望 73地区 沿岸10市町村 本紙調査
東日本大震災で被災した沿岸12市町村のうち、洋野町と普代村を除く10市町村で、少なくとも73地区が、高台への集団移転を希望していることが、読売新聞の調査でわかった。
10市町村の住民への意向調査が途中段階のため、集団移転を希望する地区の数はさらに増える見通しだ。移転を希望する住民にとって、震災の津波で浸水した自分の所有地の買い取り価格は、移転先の土地を購入する原資となるだけに、最大の関心事。
県が県不動産鑑定士協会に委託して行う価格評価を参考に決定する方針だが、震災前より大幅に下がるとみられる。
読売新聞は今月中旬、10市町村の担当者に進捗(しんちょく)状況を電話で聞いた。
10市町村とも住民への意向調査中だが、釜石市が14地区、陸前高田市が8地区、宮古市が7地区、大槌町が全5地区など計73地区が集団移転を希望。
希望する世帯数は、市町村が集計している途中だが、久慈市(4地区)と岩泉町(2地区)が各約60世帯、野田村(3地区)は150~200世帯など。
大槌町は13日、建物が半壊以上の被害を受けた約3600世帯に、住宅再建の方法や希望する場所などを尋ねるアンケートを発送。
担当者は「集団移転の希望世帯は、1000世帯以上あるのでは」とみている。
10市町村のほとんどは、国の防災集団移転促進事業を利用して集団移転を考えている。
事業主体の自治体が、移転先の土地を取得・造成し、被災宅地も買い取る。東日本大震災では特例として、それらの費用は、国が全額負担する。
■野田村は先行
野田村は昨年11月7日に復興計画を策定した後、自宅が浸水した約570世帯を対象に説明会を開催。小田祐士村長は席上、「最低限、浸水した土地を移転先の土地と同じ価格で買い取る」と表明した。
年明けから、不動産鑑定士に高台移転候補地の価格評価を独自に依頼する検討を始め、実際に依頼する直前、県が12市町村の土地価格評価を実施すると発表した。結果が出るのは3月のため、松本良治・村地域整備課長は「県の対応が遅すぎる。2月中には具体的な数字を提示したい」と話す。
■集団移転断念も?
野田村も含めた10市町村が、県による土地の価格評価を参考に買い取り額を決定する考えを示すが、買い取り額は震災前の地価より下がることが予想される。
この結果、集団移転を希望する被災者が資金不足で移転費用を捻出できず、県や市町村が建設する災害公営住宅に入居するケースが生じる可能性もある。
(2012年1月22日 読売新聞)
貴重な調査だ
。アンケートなのでその時々の気持ち、想い、期待感が込められている。
多分、被災者の皆さんの気持は日々、不安、戸惑い、情報も少なく、いったい、これからどうなるのか・・・・といった複雑な心境で揺れ動いてと思う。
「国の防災集団移転促進事業を利用して集団移転を考える」という、途方もないような問題に直面しているわけだが、国・行政は誠心誠意で対応して頂きたい。
すでに、気持を固めて決意をされた方々から暫時、新築され集団移転していくようなイメージを描きたいものだ。
県・市長村行政等が、早めに有効な土地、不動産を取得していく取り組みが期待される。
一部、地上げなど悪徳業者や土地所有者が不当な利益を得ないような望みたい。
未曾有の緊急事態な訳だし、その中でも「住居」は大切だ
。環境の違う場所で再起を図っていく。
その決断に迷いが無いように、納得いくような対応を見守りたい。