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中日1
仮設の冬支度(2)寒さ、防火対策
釜石市鵜住居の仮設住宅に1人で住む西山立さん(61)の部屋の片隅に小さな石油ストーブが置かれている。10月初旬に1万円ほどで買った。使わないままこれからも出番はない。
備え付けのエアコンでは寒さに耐えられない。こたつを置けば部屋が狭くなる。そう思って買ったが「やっぱり危なっかしくて使えない」。部屋の壁には上着やセーターを掛け、カーテンもある。火事の不安がぬぐえず、結局ファンヒーターを使うことにした。寒さに備え、自分で壁に段ボールや発泡スチロールを貼ろうと考えている。
県内の仮設住宅は壁の断熱材を追加し、窓は二重サッシに改修したが、鉄板の壁は冷えやすい。火災に気をつけながら、部屋を暖かく保つ工夫が求められる。
宮古市田老の仮設住宅で暮らす中瀬良雄さん(73)は、半畳の畳2枚を寝室の壁の柱の間にはめ込んだ。発泡スチロールが入っていて断熱性が高い素材だ。
窓の冷気を遮断するのも効果的だ。日本建材・住宅設備産業協会の資料によると、冬の暖房時、外に逃げる熱の割合は、窓などの開口部からが48%と最も高い。カーテンは窓全体を覆う厚手のものを下げ、掃き出し窓なら床に届く長さがあると冷気を防げる。夕方は早めにカーテンを閉め、昼に暖まった室内の空気が冷えないようにしよう。
窓に断熱シートや気泡緩衝シート(プチプチ)を張る方法もある。盛岡市の内装業経営田代実さん(48)は「梱包用の薄いプラスチックシートを窓に貼ると室内温度が3度は違う」と勧める。中の空気層が冷気を通しにくくするという。
床は、カーペットなどを敷けば下からの冷気を遮ることができる。仮設では、支給された毛布を床に敷いている家庭もある。
ただ、こういった対策をすれば室内に燃えやすいものが増えることも事実だ。万が一、火災が起こった時のための備えはもちろん欠かせない。
7日、県内全ての仮設住宅を対象に消火器設置が始まった。9日からの「秋の火災予防運動」に合わせ、沿岸部の消防署も防火対策に乗り出す。宮古消防署は仮設全戸にチラシを配る。ストーブは燃えやすい物から離して使用するなどと呼びかける。暖房器具の不完全燃焼で起こる一酸化炭素中毒はこまめな換気で防げる。
忘れがちなのが火災保険。県によると、建物自体は県が保険加入しているが、家財は入っていない。必要な場合は自身で加入する必要がある。 (2011年11月09日朝日新聞)

仮設住宅の立地場所などによって寒暖の差は大きい。
陽当たり良い場所、悪い場所、風通しのよい場所、高いところ、山や川のそば等々、設置場所の環境条件は大変な影響がある。

また、設置・建築した業者によって施工、つくりが違うのはどうしたものか?一見、同じような構造の仮設住宅に見えるが、まったく暖かさが違うようだ。断熱材の入れ方でも違いがでるという。

要望するとすぐに改善される所や何度言っても聞く耳もたない所や3・11から8カ月経過しても不安や不満は尽きない現状だ。

暖房器具が必要な場合は、以前の生活と同様に備えたいものだ。

皆んが「同じ」ではないはずだが、どうしても提供するとなるとミスマッチが発生する。
「必要な方に必要なものを・・」、「限られたものになるが有効活用を・・・」。
大災害だけに、元の生活通りにはいかないが仮設住宅の暮らしが少しでも充実するよう願いたい。