何でも屋飛び回る 高齢化の飛島で若手ら事業
合同会社とびしまが運営する「島の駅とびしま」
酒田市の飛島で、若手島民と移住者計5人で組織する合同会社「とびしま」が活動の幅を広げている。
誕生から2年余りで、飲食店運営から土産品開発、道路の除雪、草刈りまで、「社会的企業」として高齢化が進む地域のニーズに幅広く応えている。
定期船発着所前にある観光施設とびしまマリンプラザの2階に13日、「島の駅とびしま」がオープンした。
約60平方メートルのスペースに特産のトビウオだし入りカレーや茶漬けを出す飲食店と、土産物売り場が入る。
昨年まで老夫婦が食堂を営んでいたが閉店し、施設を所有する酒田市が運営者を公募した。
唯一、手を挙げたのが同社だった。
代表社員の本間当さん(34)は「マリンプラザは島の玄関。2階を空けたままにはできなかった」と説明する。
本間さんは、東日本大震災で仙台市の職場が被災したのを機に古里へ戻った。
両親が営む旅館を手伝いながら、島の過疎、高齢化に危機感を強めていた時期に、島民や行政、東北公益文科大などが活性化を探る「とびしま未来協議会」に刺激を受け、2013年3月に会社を設立した。
協議会とカフェを共同運営する形で活動をスタート。
地場産品を使ったアイスクリームの開発、エイヒレの干物、イカの塩辛の製造など事業の幅を徐々に広げた。
店頭の幕や土産物には、山口県から移住した松本友哉さん(26)デザインのロゴや包装を施す。
昨年、県道の除雪作業を請け負ったことを皮切りに、市から遊歩道の草刈りも任せられた。
今月には「観光コンシェルジュ」と名付けたガイドや、物産のウェブ販売にも乗り出した。
「島の暮らしを支えるために、誰かが何でも屋を担う必要がある」と本間さん。
「加工品の開発や観光ガイドなど、島に還元できる仕事を新たに創り出すことで若い世代の移住促進につなげたい」と先を見据える。
[飛島]酒田港から北西39キロの位置にあり面積2.7平方キロ。人口は5月末現在224人。
1940年には1788人がいたが、高校進学率の向上に伴い人口流出が進んだ。
高齢化率は67.41%。産業は主に水産と観光で、島内に13の旅館民宿がある。
(2015年06月20日土曜日 河北新報 山形のニュースより)
素晴しい活動だ!
元気なパワーをドンドン発信して、地方から創生の奇跡を起してもらいたい!