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知的障害者を個室に毎日拘束 大阪の施設「暴力」理由に!

2009-03-14 11:27:36 | 障害者自立支援法って!なに?
春の選抜花巻東(岩手)鵡川(北海道)

「知的障害者を個室に毎日拘束 大阪の施設「暴力」理由に」
 社会福祉法人日本ヘレンケラー財団(本部・大阪市阿倍野区)が運営する知的障害者更生施設「伯太(はかた)学園」(大阪府和泉市)で、ほぼ毎日、30代の男性利用者を個室に閉じこめていたことがわかった。府は厚生労働省令に抵触する恐れがあるとして、改善を指導した。学園は「他の利用者への暴力を防ぐため」と説明していたが、支援方法を見直した。

 学園の説明などによると、男性利用者には重度の知的障害があり、ストレスがたまった時など他の利用者にしばしば暴力をふるった。他の利用者の家族らから苦情が寄せられたため、男性の保護者から了解を得た上で、01年から随時閉じこめるようになった。

 部屋の引き戸に金属製のストッパーを取り付け、職員が手薄になる時や就寝時はほぼ毎日、中に入れ外から施錠していた。府が昨年9月、2年に1度の定期監査で見つけた。

 府によると、知的障害者を個室に閉じこめる行為は身体拘束に当たり、06年の厚労省令で「緊急やむを得ない場合を除き」禁じられている。しかし、学園では個々の職員の判断でほぼ毎日閉じこめ、状況なども記録していなかったため、府は「安易かつ軽率」と判断した。

 学園の幹部は「いけないという認識はあったが、限られた職員数の中で良い支援ができず悩んだ末、施錠してしまった。思慮が足りなかった」と話す。府の指導後、学園の職員は男性利用者へのかかわりを増やすよう努め、暴力は減ってきているという。

 同財団は府内で8カ所の施設を運営。同学園では18歳以上の知的障害者が男女計52人生活し、19人の職員が交代で支援にあたっている。
(2009年3月13日 全国紙)

施設内で、利用者に対する身体拘束や虐待まがいの対応は後を絶たない。表面化しない事案も多々あるものと思う。職員等による内部告発がなければわからない状況もある。いったい、何が起きているのか?
私も「成年後見人」の任務として、施設を訪問することがある。話せる方からは、支援の内容を聞き取りすることも出来るが、話しのできない方からは全体的な雰囲気で察知するしかない。何か強い圧力をかけられていれば、表情が暗く、オドオドしている、態度や全身で訴えてくる。これを理解するのは大変だが、施設側に気のついた事や要望は言うようにしている
改善できることは良い方向へ検討していただく。利用者=本人への支援を手厚く実施していただくよう依頼するなど行っている。
しかし、確かに、年々職員との意思の疎通が難しくなりつつある。
①非常勤職員が増えたこと。②専門性の知識・技術が低下している。③日常的な「お世話」中心になっている。④ケアマネジメントが生かされていない。⑤障害者自立支援法の理念が生かされていない。⑥財政的な経営面の心配事が先行し、サービス低下になってきているのではないか。⑦将来的な構想がない。等など、ここ数年の間に急激に取り巻く状況が悪化してきている。
こうした中で重い障がいをもつ方の支援にかかわるわけだが、チーム全体で対応して頂きたいものである。
経営責任者も職員・スタッフも一丸となって取組まなければ、難関を解決できない。「他人事ではないな!」そんな感想をもつような事件である。残念

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5 コメント

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Unknown (CSW Mr T)
2009-03-14 18:46:28
施設の内部については、なかなか見抜けないことが多いですね・・被後見人の声にならない訴えをどのように察していくのか、大切な視点とおもいます。私は後見の受任はまだしていませんが、介護サービス情報公表、地域密着型外部評価、福祉施設第三者評価の調査員として施設を歩くことがあります。飾っている写真の利用者さんの表情とか施設独特の空気の感じを見ています・評価項目にない部分ですが・・後見人であれば大切な見極めをしなくてはならないでしょうね・・
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Unknown (きむら社会福祉士事務所)
2009-03-14 21:37:50
コメントありがとうございます。
昨年末、知的障がい者で高齢の方が、入所施設内で転倒し大腿部頚部骨折⇒手術・入院⇒付添い人確保⇒正月休みのため、付添い人が確保できず⇒別な病院へ転院・・・の奮闘劇がありました。現在も入院・リハビリ中です。長期入院になると施設を退所しなければなりません?
施設側に転倒しケガした文句も言いたいし、施設職員は付添できない実情も訴えたいし、退所になる不安も訴えたいし・・・・いっぱいありますね。目には見えない、気がつかないような弱者切捨て、追い込みを感じます。どうなっていくのか?見通しの立たない状況に置かれていきますね。成年後見人だから学べる事かも知れません。
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Unknown (匿名)
2009-06-14 16:14:15
支援員の中には自らは手を下さず、障害者仲間に殴らせる者がいます。
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Unknown (きむら社会福祉士事務所)
2009-06-14 18:30:29
そんな事を許したらいけませんね。
生活支援員の資質も低下してきたり、臨時職や非常勤が多くなり、知的障がい者の理解に乏しい現実もあり大変ですが、職員として守るべき行動規範、倫理規程等充実していかなければなりませんね。
ある程度トレーニングされた第三者の人が施設に入れるような、監督?に近いような目をドンドン注入すべきだと思っています。相変わらず閉鎖的な事がいけないのだと強く思います。
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Unknown (Unknown)
2019-02-21 23:01:19
知的障害者の度合いにもよりますが、現実を見たことありますか?
個室に閉じ込めるのが虐待なら、介護をするものを守る手段はなんですか?
知的障害者は、力の加減もわからないし、理性での抑制もありません。
介助者の一方的な虐待はダメですが、身を守る手段としての行為は、どうなんでしょう?

知的障害者は、重症度にもよりますが、施設に入所を考えると、軽度ではないでしょう。
意思疎通などは、ペットの犬猫の方が、お互いに理解し合えていると思います。
人であって人でない。
それに対峙するのは、恐ろしいですよ。
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