いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

地上デジタルあの手この手

2009年01月09日 | たまには意見表明
 2011年7月24日をもってアナログテレビ放送が終了することが決定されて以来、政府関係者や放送業界から期日の見直しに言及されたことはありませんでしたが、ケーブルテレビに限って旧来のアナログテレビでも受信できるように緩和するらしいです。

 元々、VHFに比べて電波の直進性が強く、送信局のカバーエリアが障害物に影響されて狭くなりがちなUHF帯を使う地上デジタルでは、山間部などに受信困難な地域が残る傾向があり、だからと言って地上送信局を際限なく増やすことはコストを考えれば不可能です。このため総務省もケーブルテレビ業者に安価な地上デジタル放送の再送信サービスを要請していました。ケーブルテレビの多くは地上デジタルの再送信を既に行っているのですが、他のチャンネルとの抱き合わせなどで料金が高止まりしており、年金生活者などに配慮して、地上デジタルだけは安く契約できるようにしたものと思われます。

 地上デジタルだけを契約された場合、単価が低いため短期の契約ではあまりケーブルテレビ業者の収入になりません。これを埋め合わせるため、アナログテレビのまま数年間はケーブルテレビで地上デジタル放送を視聴できるようにはからったものでしょう。アナログでの再送信ですから、画質は旧来のテレビ放送と同等。電波でのアナログ放送がまだ終わっていない現時点では、同じ放送内容に追い金をしてケーブルで見たい人もいないでしょうが、いよいよアナログ放送終了が近づけば、機械に弱い高齢者などが検討してくれるかもしれません。

 しかし、これだけで地上デジタルの視聴可能エリアを大幅に拡大することは不可能ですし、これに乗った人も、暫定措置なので結局はデジタルテレビの購入とアンテナ工事が必要になります。ケーブルテレビは受像機1台ごとの契約なので、現在は当たり前の複数テレビ利用者では料金がかなり高くなるという問題もあります。所詮はその場凌ぎの政策で、これで地上デジタルが大幅に普及するわけもありません。

 地上送信局を補完する効果を考えるなら、ケーブルテレビ以上に普及したインターネットの方がコスト面で遙かに有利なのは自明ではありませんか。総務省も放送局もかなり焦っているようなので、今年は大きな動きがありそうです。ようやく視聴者の多くが納得できるような地上デジタルが見えてくるのでしょうか?
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