いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

和製「ドイツの哲学」

2005年11月14日 | たまには意見表明
 写真は万博ですが、今日は関係ない話です。

 古い書類を整理していたら、車検の金額24万円の領収書が。えらく高いな、と明細を見てみたら、ウォーターポンプ交換とあった。そう言えば、ウォーターポンプでエンジン1台やられたんだっけ。AAA型の弱点だった。

 思い出してみれば、1997年型フォルクスワーゲンヴェントVR6は、中古で買ってからというもの故障続きで決して退屈させてくれない車でした。ウォーターポンプ故障により高速走行中にファンベルトが脱落し、エンジン全損で中古エンジンに載せ換えたのを始め、パワーウィンドウ故障、パワーステアリングポンプ故障、ABS故障、アイドリング不調と故障を連発しました。今でも変速機が動きたがらないですし、エアコンはろくに効きません。

 高速での安定性こそ最初は感動的でしたが、重いステアリングに極楽妻が音をあげたり、切りっぱなしのドアで頭を怪我したり、都市部で5km/Lから6km/Lという悪い燃費に顔が引きつったりと、最近はいい印象がなくなっています。ダンパーの劣化で安定性も劣化し、レールの上を走るような安心感がなくなってきましたしね。

 この車を買った動機として、世界の標準と言われるフォルクスワーゲン車に乗ってみたかったという好奇心があります。私がクルマに一番興味のあった頃、車関係の雑誌を見ると、決まって日本車がボロクソにけなしてあり、ドイツ車の「クルマ造りの哲学」が褒め称えられていたものです。「コンセプトで日本車の10年先を行っている」というのが決まり文句だったように覚えています。

 あれから10年以上、「ドイツの哲学」などという評論家のお題目は何だったのだろうというのが実感です。21世紀になってドイツ車は更に高速性能を追い求めており、リミッターを外せば300km/hなんて超高性能車がいくつもあります。でも環境問題や貧困の問題が広く意識され、20世紀に比べて、高速、高性能の自動車はほとんど輝きを失いました。「どこでそんなスピードを出すの?」という疑問に対する回答は今やありません。

 当時、ドイツ車を誉めそやした評論家は、今は何をしているのでしょうか?相変わらず「ニュルブルクリンクのテストではドイツの哲学が…」などとやっているのでしょうか?彼らが交通社会に何の提案もせず、クルマの進化に何一つ寄与することなく、殿様商売を続けていた輸入車メーカーを甘やかしてきたつけが、今のトヨタ一人勝ちにつながっているように思えてなりません。

 雑誌を毎月買うことで彼らをサポートしていた極楽親父も愚かでした。今やクルマ雑誌が全然売れない、と聞いたことがあります。原因はインターネット情報の充実とか、読者の意識の変化として説明されていることが多いのですが、自動車メーカーの意思と技術が、多くの自動車雑誌を越えてしまったため読む必要を感じない、という説明もできるように思います。
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