いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

期待されない「ダビング10」

2007年10月12日 | たまには意見表明
 日本のホームシアター愛好者の代表格である麻倉玲士さんが、コピーワンスの緩和策である通称「ダビング10」を批判しています。ご自身がエンドユーザーとして映像を享受している人だけあって、発言の内容は一般ユーザーにも納得できるものです。コピーガードの十分な緩和が実行されない限り、素晴らしい画質を提供するブルーレイディスク(BD)も本格的に普及することなく終わるでしょう。

 名古屋に住む私の周りにも、「ダビング10で便利になったからデジタル放送を見ることにした」という人はいません。近所の家のUHFアンテナは、相変わらずアナログ送信タワーのある八事方面を向いており、デジタル送信用に新設された瀬戸タワーを向いている物は見たことがありません。

 麻倉さんのようなハイエンドユーザーが満足しない仕様では、それを追いかけるヘビーユーザー層も本格的に機材に投資しないでしょうし、一般ユーザーもそれに続きません。コピーワンスやダビング10を強引に導入した人たちは、このようなユーザーの階層構造を理解していなかったとしか考えられません。消費者代表を自称する高橋伸子が同意したって?だからどうなんだ。あんな人、経済界のサポーターであってエンドユーザー代表じゃないでしょうが!

 資金に大きな制約のある一般ユーザーは、ヘビーユーザーがいろいろ試行してくれた結果、「今度のはいいよ!楽しいよ!」と言ってくれるのを待っているのです。クルマだって、カメラだって、テレビだって、新しいものはいつでもそうだったじゃないですか。地上デジタルにはまだヘビーユーザーの「ゴーサイン」が出ていないのです。

 目下の地上デジタル普及キャンペーンは、要求の多いハイエンドユーザーやヘビーユーザーがテレビ離れしても、一般ユーザーさえ取り込めば視聴者が確保できると思ってのことでしょうが、とんだ考え違いです。「高価で、不便で、先行き不透明」という評価が定着してしまった地上デジタルに、商品知識の乏しい一般ユーザーが簡単に乗り換えるという予測は楽観的に過ぎます。少なくとも、麻倉さんが満足しないような機器を私は高値で買おうと思いません。2011年7月24日以後も延々とサイマル放送を続けたくなければ、「アナログでできることはデジタルでもできる」とユーザーに確約するしかないと思います。
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