いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

SKYACTIV-D 1.5

2014年06月11日 | 自動車
 マツダがSKYACTIV-Dを下方展開してきました。CX-5、アテンザ、アクセラ用の2.2Lを大幅に縮小して、今度は1.5Lです。国産車としてはあまり例のない小排気量ディーゼルですね。もっとも過去にはダイハツがシャレード用に1.0Lを出したことがあります。ディーゼルは高い圧縮比に合わせてブロックを頑丈に作る必要があるし、高圧の噴射ポンプも必要なのでコストが高く、小型、低価格の車両になるほど相対的にガソリン車より高くなるため、販売上不利だとされてきました。

 2.2Lを搭載したアクセラスポーツでも、車両本体価格が306万円ですから、2.0Lガソリンが226万から250万、1.5Lガソリンに至っては176万から190万(いずれも端数省略)なのに比べて大幅に高価です。この1.5Lの価格設定はバーゲンですね。ディーゼルの燃費がいくらいいとは言え、この価格差で元を取るのは無理です。アクセラの1.5Lモデルは1.2t台の重量なので、贅沢を言わなければこれで十分走ってしまいます。1.5Lでも圧縮比13.0の新型SKYACTIV-Gでトルクはそこそこ出ていますし、効率のいい6ATのお陰もあって、鈍重さに我慢しながら走ることはまずないでしょう。

 1980年代のファミリアは1.5Lが主力で全長4m弱、重量は800kg台だったのですから、アクセラは後継車としては大きく重くなったものです。この5割増の重量をエンジンのパワーアップとトランスミッションの効率化でカバーしているのです。きびきびとした操縦性が評価されたかつてのファミリアほど軽快ではないにしても、実用的な動力性能で燃費も大幅に改善されたのだから合格点でしょう。低価格帯の商品なのでメディアの扱いは地味でしょうが、技術の進化はたいしたものだと思います。1.5Lで十分な気もしますが、もう少し動力性能に投資できるのなら、2.0Lガソリンがぴったりでしょう。

 今度の1.5Lディーゼルはデミオに搭載するという話です。上級のアクセラでは2.2Lディーゼルの価格が突出して高く、むしろアクセラに1.5Lディーゼルを追加する必要も感じます。それを考えるとコンパクトカーのデミオに1.5Lディーゼルは大きすぎないでしょうか?デビューこそデミオに採用してくるものの、これでは数が出ないでしょう。25.5kgmもの太いトルクなら、プレマシークラスのミニバンでも十分に駆動できるはずで、デミオよりむしろ主戦場であるミニバンの目玉としてくるように予想します。重量のあるミニバンならディーゼルの特性が生かしやすいし、2.2Lディーゼルはプレマシーには過剰です。値段が高くなって、どうしてもディーゼルに乗りたいマニアにしか売れないのもマツダの意図ではないでしょう。プレマシーは現行モデルがOEMで日産に出ている(日産ラフェスタ)こともあり、エクストレイル用ディーゼルの改良を止めてしまった日産にとっても欲しいモデルのはずです。

 あるいはトヨタへの供給ですね。トヨタは自社製のディーゼル開発がやや遅れており、マツダに供給したハイブリッドの見返りにマツダからディーゼルを導入することは合理的です。主力のハイブリッドと競合することは避けたいでしょうから、ディーゼルの太いトルクが有効なSUV、例えばRAV-4あたりに限定して入れてくるかもしれません。そうなると競合するフォレスターなどに対してかなり有力な武器になりそうです。私の予想はともかく、せっかく面白いエンジンができたのですから、メーカーの枠を越えてできるだけ幅広く使って欲しいものです。
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