こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

世界の全ては小さな粒

2012年09月25日 | 博物館・科学館

 「すいへーりーべぼくのふね。ななまがりしっぷすくらーくか」。学生の時にそうやって覚えた事はありませんか?そうです、「元素周期表」を覚えるときの覚え方ですね。そんなワケで、現在「国立科学博物館」の「特別展」で開催されている「元素のふしぎ」展へ行ってきました。

 この「元素のふしぎ」展ですが、7月21日から10月8日までの開催なのです。本来でしたら開催初頭に行っているはずなのですが、7月21日。つまり「夏休み」と同じ時期の開催ですので、初頭に行くと大変込み合いますし、夏休みですから、平日でもその込み合いっぷりは変わらないと思い、見送り、夏休みが終わり、落ち着いたところへ行こうと計画していたのですよ。それで、本日行く事になったのです。科学全般が好きな私ですが、特に「元素」は好きでして、高校の時テストで99点をとったコトがありまして、その時のテスト範囲が「イオン」でしたからね。

 さて「元素」と聞くと先ほどの「周期表」や、イオン式、化学式などを思い浮かべる方が多いと思います。そして、「物凄く難しい…」と思われているのでは無いでしょうか?確かに「イオン式」や「化学式」は難しいですし、本格的にやるととても難解な物である事は否定しません。正直私もそこまでは専門ではないですし。でも、世の中全ての物は「原子」からできていますからね。私たち人間だって、構成している元素は主に「酸素」「炭素」「水素」「窒素」ですし、クルマのボディである「鉄」もそうですし。プラスチックだって「炭素」「水素」「酸素」からなっています。そしてその「元素」は現在「118」あり、その中で1~112、114、116番目の元素には正式に名前がつけられているのです。その内、天然に存在するのは「91種類」で後は「人工的に作られた」元素で、その殆どが「研究用」としての用途しかなく、110番代近くになると「半減期」が1秒に満たない物だったりして、性質さえもよくわかっていないものがあったりするのです。

 この「元素のふしぎ」展では初めに「世界の全て」が「元素」でできていることを紹介し、なにが、どのような元素でできているか、元素の発見、原子の構造と性質を紹介した後、「118元素の紹介」へと入ります。ここでは「118元素」で「放射性」であったり、「研究用途」の元素以外の「標本」と、使用されている主な物が一緒に展示されています。なので、名前は知っているけど、こんな物に使われていたんだ。などの発見があり、とても面白いですし、「純物質」を見る事はあまり無いですからね。そしてそのコーナー内ではさらに、宝石を構成している「宝石の元素」の紹介や、「天然宝石」が構成している元素から人工的に作られた「人工宝石の元素」。「花火」や「ネオンサイン」が代表するように、「光と元素」と称して、元素からの発せられる光。「コンピューターチップ」に欠かせない「シリコンウェハー」の原材料である「超高純度シリコン単結晶」が展示されていたり、太陽電池パネルの種類、面白いのは「体重」から「構成している元素量」を割り出してくれる「元素体重計」なるものありましたね。体重約「65kg」の人は「O 39.742kg」「C 14.985kg」「H 6.515kg」「N 1.694kg」「Ca 0.912kg」「P 0.717kg」「S 0.130kg」「K 0.130kg」「Na 0.091kg」「Cl 0.078kg」「Mg 0.018kg」「Si 0.017kg」「Fe 0.004kg」「その他 0.005kg」と表示されます。コレは「体脂肪計」のように人体を通電させて計測する物ではなく、「体重から割合を算出」したもので、正確値ではなく「参考値」になりますが。面白いですね。「元素冷蔵庫」では普段食べている物はどんな元素を多く含んでいるのかを紹介し、「合金と元素」は、ベースメタルになにを混ぜるとどのように性質が変わるか。代表的なのは「Al」や「Fe」ですね。「Fe+Cr」で「ステンレス」「Al+Cu」で「ジュラルミン」(正確に言うとそれ以外にも少量の添加物が加わります)となり、「ベースメタル」の性質を格段に良くしたり、弱点を補ったりする事ができます。それとほとんどの元素は「金属」で、その質量や感触をしる「比べてみよういろいろな元素」では「Fe」「Ti」「Al」「Cu」でできた棒を叩き音色を比べたり、「Al」「Cu」「Ag」「Au」のインゴットを持ち上げ重さを比べたり。「元素と色」では「絵の具」や「陶器」の「うわぐすり」として使われている元素が紹介されていました。そして昨今で話題で「産業のビタミン」とも言われている「レアメタル」も紹介されています。そう言えば「レアメタル」って「希少金属」という意味ですが、必ずしも「地殻含有量」が少ないという意味では無いんですよ。「Ti」は地殻での存在量が「5400ppm」と「金」の「0.003ppm」に比べると極端に多いのですが、「純粋な金属」として得ることが難しく「レアメタル」とされているのです。

 と、まぁ、「元素好き」な私にとっては物凄く楽しめました。この展示は「撮影可能」でついつい「400ショット」ほど撮影してしまいましたよ。でも「実物」や「使用されている物」を見ると意外なものがあったり、この元素はこんな物に使われていたりするんだととても幅広い考えを持てるようになりましたね。ホント面白かったです。まだ行かれていない方にもお勧めします。

  それでは、本日の登場人物は、この方。博物館の話題ですから所属はもう当然「ベルギー国立博物館」。「化学・科学館会場職員」である「ブラッド・ハウンド」の「Chiefille」、「二ノン・グリュミオー」さん。世界は全て元素で出来ているのですよ。背景は「元素のふしぎ」展でのエントランスにある「周期表」です。

2012_09_25

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