毎年9月になるとその年に選ばれた「未来技術遺産」が「国立科学博物館 上野本館」にて「企画展」として「パネル展示」されるのです。コレが「かはくイベント」であまり告知されなかったりするので、こまめにチェックしていないと見逃してしまうのですよ。それでもって今年は「9月13日~10月16日まで」開催されています。が。そのうち9月13日から9月19日」までの期間のみ「一部の実物」が展示されていますので、その機会を逃す訳にはいかないので、本日行ってきました。
今年も「日本館1階企画展示室」前の「中央ホール」で展示されており。正式名称は「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」でして、どんなモノかと説明しますと、、現在の「科学技術」の発展に貢献した科学技術史資料や、国民生活、経済、社会、文化の在り方に大きな影響を与えた科学技術史資料の保存を主な目的とした「登録制度」として「産業技術史資料センター」が行っているもので、毎年この時期に「かはく」にて「パネル展示」されているのです。それで「9回目」の今年は「16件」が新たに登録されました。登録された技術遺産は
八木・宇田アンテナ ― 世界最初の超短波アンテナ ―
酵素パワーの「トップ」 ― はじめて本格的に市場に受け入れられた酵素配合洗剤 ―
アレグレット PDR-2 ― 世界初のCMOSセンサー採用デジタルカメラ ―
ペイント製造用手廻しロールミル ― 日本初の洋式塗料を製造 ―
東田第一高炉 ― 日本の銑鋼一貫製鉄の始まりと発展 ―
分銅式標準圧力計 ― 国産圧力計の発展と標準化に寄与した圧力検定試験器 ―
【 日本初の合成インジゴ関連資料 】(1) インジゴ樽(2) インジゴ缶 ― 独自技術で工業化された合成染料 ―
単気筒試験用ガスエンジン (1MD20GX) ― 現在につながるガスエンジン開発の起点 ―
コンパクト・カセット式超小型テープレコーダー TC-50 ― 小形軽量化技術の先駆けとなった小型テープレコーダー
円盤録音再生機 ― 世界最高レベルのアナログ録音音質を達成 ―
デジタルラボシステムFRONTIER (スキャナー&イメージプロセサー:SP-1000、レーザープリンター:LP-1000) ― 世界初のデジタルミニラボ・カラープリントシステム ―
PC-9801 ― 日本で最も普及した16ビットパソコン ―
PC-100 ― 最早期にマウスとGUIを標準搭載 ―
油圧ショベル(ユンボ) Y35 ― 国産初の油圧ショベル ―
D60形ディジタル交換機 ― 日本初の商用デジタル電子交換機 ―
ピッチ系炭素繊維 ダイアリード DIALEAD ― 世界で初めて量産に成功 ―
このうち「実物展示」がされているのは「アレグレット PDR-2」と「酵素パワーのトップ」でした。
今回は、16件と少なく、なおかつオーディオ系は「TC-50」、PCは「PC-9801」、「PC-100」それと馴染みがあるものとしては「TV受信用アンテナ」として良く見る「八木アンテナ」と業界通称でしたが一般的にもなってきた「ユンボ」、それとお世話になった人が多いと思われる「酵素パワーのトップ」でしょうかね。その他は実験機や業務用ですからあまり実感の無いものですね。
「PC-9801」って実際に今でも「工場用機器制御用システム」として「現役」の所も多いみたいですが、今の「Windows」が主流になる前は「日本の標準PC」としてシェアが9割近くあったのですからね。当時の金額は約30万。現在の標準ビジネスPCが10万円以下が主流ですから、価格としては1/3くらいにしかなっていないんですね。それでも30万と10万では「身近感」が段違ですよね。
「ユンボ」。コレは「CAT・jp」が生産した「国産油圧ショベル第一号」でして「商品名」である「ユンボ」がそのまま代名詞として現在も使われていますね。
そして何よりも身近な「酵素パワーのトップ」ですよ。この頃の「粉末洗剤」は今のように「1.2kg」の小さな箱では無く、2.65kgと重い挙句に箱もB4サイズくらいの大きさでしたからね。まぁウチは昔から「液体トップ」を使っていたので実際に使ったことはありませんが、結構思い出深いものがありました。
ともあれ、来年はついに「第10回」を迎えますので、楽しみですよ。
それでは、本日の登場人物は「機械工学」な話ですのでこの方、「ベルギー国立博物館」で「機械工学」の「学芸員」をしている「スキッパーキ」の 「Cheifille」である「ブランディーヌ・デュラン」さん。「ブラン」さんも毎年楽しみにしているようでして…。ちなみに背景は「国立科学博物館 日本館1階企画展示室」前「中央ホール」で展示されている「平成28年度 重要科学技術史資料(未来技術遺産)登録パネル展示」会場の全体です。