こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

空に輝く金の環

2012年05月21日 | 天文・科学

 「金環日食」当日です。2009年の「トカラ日食」の時から、この日を待ちわびていましたからね。それに今回は遠出しなくても見れるのですから「無理」をしないで見る事ができるので、しっかりと観測できるワケですしね。ともあれ、結果的には「見れました」から良かったですよ。あんなに太陽が欠け、金環となった時の美しさはすばらしいですね。

 そんなワケで今回のリポートです。写真には「望遠」と「シャッター速度」「絞り」が右下に記載してあります。それと「感度」は全て「ISO200」です。

 まず、今回の日食ですが、「東京」に「中心帯」が通る事になるので、なるべくなら「中心帯」で見たい物ですよね?って事で、偶然にも自宅から直線距離で3kmほどの所に「中心帯」が通ると「国立天文台」の予報が出ていましたので、観測場所はその「中心帯」が通る「多摩川」にする事に。そして、事前に「国立天文台 天文情報センター 暦計算室」で「日食各地予報」で「中心帯」を検索し、観測場所を「Google Map」にて確認してその他機材の準備をして当日に備えます。そしてついに当日。元から仕事へ行く時と起きる時間が一緒なので、苦も無く起床し、空を見ると東側に雲が多いですが、それ以外はあまり雲が無いので、行けそうな気がします。どっちらにしろここまで来たら引き下がれませんから準備を済ませて、「カメラ」「フィルタ」「三脚」を私の所持するモーターサイクル「BMW K1200S」コト「ファル」さんに積み、出発です。「ファル」さんを走らせること10分。この場所が今回の観測地になります。

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 「赤い線」が今回の日食の「中心帯」。つまりここを「月」の「影」の「中心」が通る訳ですね。そして「青の三角」が私が観測した場所でして、目印として「土手沿い」に建っている「家」と川側にある「ゴルフ場」の「柵のポール」の位置から現地にて「中心帯」の位置を割り出し、機材を設置。周囲には「日食観測」の方が数名ほど。まぁ、思ったよりもいないという事と、「中心帯狙い」で私と位置が被る人がいないのは良かったですね。あまり人が多いとなんだか面倒ですからね。

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 到着した時点、5時50分での空模様はこんな感じでして、まだ太陽が低いので、そんなに明るくなく、雲がどれだけ厚いのかは読み取れない状況です。雲の動きもなんだかハッキリしませんから、時間になるまでどうなるか、全く読めない状態です。

  この場所での「日食」の見え方は「国立天文台 天文情報センター 暦計算室」の「日食各地予報」でこのように見えるそうです。

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 「土手」で、「東」が対岸ですから、比較的高い建物は周囲に無いので「高度20°」は十分な見晴らしですよ。機材の設置も終えて、あとは時間になるまで待ちますが…。雲は一向に晴れませんし日食が始まる「6時18分」近くになっても雲はかかったまま。さらに6時20分頃からポツポツと「雨」が降ってくる始末。正直この時点では「絶望的」でしたが、まだ「金環」まで「1時間以上」ありますから、何とか見れればと待つ事20分。6時40分ごろから「太陽高度」も上がり日差しが強くなり始め、雲状態が少しずつ解るようになってきたのですが、それによってわかった事はなんとまぁ「太陽」のある部分に「厚い雲」がいるじゃないですか!ただその雲がズレれば見える可能性は高いので、早く動けと念じ、ついに「6時54分」雲の薄くなったところから太陽が出てきました。

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 さらに2分後、雲の切れ間から太陽が出現。この時点でもう「食分率」は5割を超えている状態です。

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 薄曇で濃淡がかなりあるようで、太陽の明るさが常に変動するので、「D4フィルタ」を付けたり外したりしてシャッター速度や絞りを1ショットづつ変更してひたすら撮ります。

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 私が使っている「D4フィルタ」は「ねじ式」ではなく「角型」と「マルチホルダー」が必要になるのですが、「フィルタ」の脱着が簡単なのが良いですね。ちなみにこの時点での雲の様子がこんな感じで

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 雲はこの時点ではだいぶ薄くなり、ところどころ雲の切れ目が目立ち、撮影も「D4フィルタ」をつけたままでの撮影が多くなってきました。このまま後30分はもって欲しい物です。

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 が、それも10分程度しかもたず、また雲が…。でも、こうしてみると、雲の合間から漏れる光と雲の水蒸気が照らされて輝く様もなんだかこれはこれで綺麗ですよね?でも、今日はそんな事を言っている場合ではありません。この時点で「金環」が始まる「第二接触」まであと12分ほどしかないのですから。

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 しかし、雲はなかなか思うように動いてくれず、時間は刻々と進み「金環は難しいかな?」と思った7時27分にやっと雲が切れ始め「D4フィルタ」を装着して撮影できる状態になりました。太陽はすっかり「三日月」のような形になっています。この時点での「推定食分率」は「0.85以上」。3年前の「トカラ日食」の時に「高知」で見たとき以来の欠け具合ですよ。そしてこの先の「食分率」は私にとっても未体験な欠け具合となります。

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 そして、雲の状態は良好へ向かいつつ、時刻はついに「第二接触」の寸前7時30分。なんか漫画で見るような三日月のようになっていますが、これもこれで綺麗です。

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 「某天文学者」さんがいう「C環日食」状態に。これで天気が良く、カメラの望遠がもっとあれば「ベイリービーズ」が見れるのですが、雲もありますし、270mm望遠ではやはり厳しいですね。これで「部分」は一旦終わり、「金環」へ。

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 ついに「第二接触」、「金環」状態の始まりです。「月」が「太陽」の前を横切るだけの現象ですが、なんともいえません。普段ではわからないもう一つの「月」の形。そして、雲なのかどうなかは解りませんが、「地球照」のように月の模様が見えたような…。このとき「シャッター速度」「絞り」を1ショットづつ変え連続でシャッターを切り続けます。

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 その間も時間は進みついに「月」は「太陽」の中心に。空には美しい「金」の「環」が登場しました。そして、私のいる場所は「中心帯」ですから、ホントに「ど真ん中」ある事になりますので、今回の日食で何処よりも「食分率」が高い「0.9700」の太陽なのです。

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 月が太陽の中心に来て、「金環食」のハイライトを無事に向かえ、少々気持ちに余裕が出てきたので、フィルタ無し、つまり「肉眼で見た」状態はこんな感じです。正直、こうしてみると「太陽が環」になっているなんて解りませんね。でも、これでも最大食なんですよね。「皆既」ですと、これが全く違う状況、周囲は薄暗くなり、星も見えるようになり、気温も大きく下がるのですが、「金環」ですとそんな事は起こりません。太陽は1%でも見えていれば明るいのですから。

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 5分近くと「日食」としては長い時間ですが、やはり一般的には短い時間。そして何よりも、夢中になっている時は時間が進むのが早く感じるもの。7時33分から続いた「金環」も「7時37」頃になると終わりが近づいてきます。

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 太陽の左淵に月が徐々に近づき、また「C環状態」になり…。

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 「第三接触」を迎え「金環」が終わりを告げ、また「部分日食」が始まります。

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 後は太陽が再び丸くなっていくのを見届けましょう。

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 戻って行く様子は10分毎のインターバルで撮影する事にしました。

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 雲の様子も30分前と違い、大分落ち着いてきましたね。でも、完全に晴れることは無く、常に薄雲がかかっている状態なので、ピントがあっていても、なんだかぼやけた感じになってしまいます。

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 太陽が元の姿へ戻って行きます。ここまで来ると8時も過ぎたからでしょうか?だんだんと観測している人は少なくなってきます。

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 食分率も「0.45」以上になり、あと、半分くらいで日食も終了です。

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 8時30分。日食が終了するのは9時3分ごろですから、残りは30分。

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 薄雲はありますが、雲の状態は比較的安定しており、シャッター速度は1/1000~1/2000、絞りはF11~16ぐらいでの合わせになっています。

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 だんだんと太陽は元の姿になっています。8時50分、あと10分程度で日食も終わりです。

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 肉眼で見たら多分「終わり」とも思えるほど太陽は丸くなってきました。左下の辺りがほんの少しだけ、「食分率」で言えば「0.03」ほど欠けています。

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 さらに2分。もうほとんど丸に、いつもの太陽の姿になってきてます。

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 9時2分53秒。私が見た限りでは「第四接触」、つまり「月」と「太陽」の最後の接触点が離れ、日食は終了を迎えた事になります。

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 約2時間45分の天体ショーを終えた太陽は何事も無かったかのように輝いていました。観測を始めた時は「横」で風景を太陽がフレーミングできていたのに、今は「縦」にしないと風景と太陽が入らないほど日は高くなっています。

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 こんなワケで、一時はホントどうなるかと思った「金環日食」ですが、無事に見る事ができました。でも「金環」状態はなんとも綺麗でしたよ普段からは想像できない太陽の姿はとても幻想的でしたからね。それで写真のほうも失敗して削除したりしましたが「616ショット」もシャッターを切りましたからね。久々にテンションが上がりましたよ。

 それで次に「金環日食」が日本で見れるのは「2030年6月1日」で場所は「北海道」そして時間は「15時くらい」からですね。今回見れなければ「北海道」まで行かなければなりませんし。でも見に行くかも知れませんね。そしてその5年後「2035年9月2日」はついに「皆既日食」が「北関東」で見れますからね。ホント楽しみです。

 でも太陽関連はこれで今年は終わったわけではありませんよ。6月4日には「18時59分」から「部分月食」があり、「6月6日」には「金星の日面経過」がありますからね。こちらも「有給」を取って準備は万端ですよ~。

 それでは、本日の登場人物は、「2009年」の「トカラ日食」の時は「高知」まで一緒にいった「エルク」さんでしたので、今回この場所まで一緒に行った私が所持するモーターサイクル「BMW K1200S」が関係した話題でしたのでこの方、「天元界 気象制御管理省 第三惑星管理室 東亜支局 気象精霊」で階級は「第三階位第二級」、精霊の種類として は「風の上等精霊」。「天空の精霊」を意味する「カエラム」を称号に持つ「ファルティシア。カエラム・マーティンス」さんです。「ファル」さんは「気象精霊」とお天気を制御する役割の精霊ですので、もしかすると今回は「ファル」さんが何とかしてくれたのかもしれませんね。それにしても「金環日食」はまさに「空に輝く金の環」ですね。ちなみに背景は「ファル」さんコト私の所持する「BMW K1200S」と日食を終えた太陽です。

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コメント (2)
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