こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

日食を見るには?

2012年05月06日 | 天文・科学

 あと半月もすれば「5月21日」です。つまり「金環日食の日」ですね。でも、金環日食を見るにはどうすれば良いのか?メディアでも紹介されていますが、本日の「こなここ」は日食の観察方法について紹介したいと思います。でも、ただ文章で書くのも面白くないので、この方たちに紹介してもらいましょうか。

 それでは、始まりです。

 連休も今日でおしまい。そうなるとあと15日ほど、5月21日に「金環日食」が私の住んでいる東京でも見える。

 天体に詳しくて、どこか不思議な雰囲気を持った娘と会ってから私は変わったと思う。子供の時は私も星が好きだったし、夜に星を見たり、プラネタリウムにも良く行ったし。そんな忘れていた事を思い出させてくれて、今は私の大きな趣味、仕事にしたいと思えるようにしてくれた「織河 天音」ちゃん。彼女に会って私は「天体」に再び興味を持ち、もう一つの趣味である「ドライブ」も兼ねて色々なプラネタリウムを巡って、お気に入りのプラネタリウムができて、そこの解説員さんと親しくなって。今ではそこでお手伝いをして、いつかは解説員になれるように勉強もしている。だから、私も5月21日の日食のために準備をしないと、だってプラネタリウムいる人が知っていないとね。

 当日は平日で、朝早い時間なので、私がお手伝いしているプラネタリウムでは「観望会」はしないので、私は現場の下見と機材の確認を兼ねて家の近くの土手に自転車を走らせた。

 さすがに5月ともなると気温は高くて、日差しも強い。日食が起こる7時半位でも寒さは全く感じないし、自転車をこいでいると、チョット汗ばむくらい。

 10分ほど自転車を走らせて、目的の土手に到着。改めて空を見ると連休中はほとんど天気が悪かったけど、今日は雲はある程度あるながらも、太陽を見るには十分。当日もこんな天候だと良いのにね。今回の日食の太陽の位置は「ほぼ真東」。始まりの時点、6時19分での高度は20°だから…。私は手を伸ばし親指と小指を伸ばしてそれを左右の手で上下に並べて水平線からの高さを測る。だいたい親指と小指を伸ばして10°、これを2つ重ねれば20°になるから…。

 「大体、あの辺りでかけ始めね…」

 確認のためにつぶやいた言葉に

 「だいぶ手馴れてきましたね?」

 「これもあなたのおかげよ。天音ちゃん」

 いつの間にかに私の横には小学校高学年くらいの、髪の毛をツーテールにした女の子が立っていた。そう、この娘が私の運命を変えてくれた織河 天音ちゃん。

 「お久しぶりですね」

 「ええ、天音ちゃん」

 「そろそろ日食が近いですから、早いですけどちさとさんと一緒に見たくって、こっちに来ました」

 「私も、天音ちゃんと一緒に見たかったよ。連絡はつけられないけど天音ちゃんなら当日に絶対来てくれると思っていたから」

 そう、天音ちゃんは人ではなく、もっと高次元な世界の住人。だから連絡はできないけど、何か大きな天体現象があると、私のとなりに来てくれる。

 「でも、こんなに早く来てくれるなんて、予想外だったなぁ」

 「私も、下見をしておきたくって」

 天音ちゃんは周囲を見渡してから

 「ここでしたら東京でも良く見えますね」

 「うん、土手だからね。周囲より高い位置にあるから建物の影にはなりにくいからね。別にウチのマンションの駐車場でも良かったんだけど、やっぱり中心帯で見たいからね」

 「そうですね。今回の日食は、朝通勤、通学するときに太陽が見える場所なら観測する事ができますからね。ただ、道ですと、クルマや人通りがありますから危ないですし」

 「だからここ。ここなら、クルマは来ないし、人通りもある程度あるけど、道から少し離れれば大丈夫だしね」

 「それと、中心帯は魅力ですからね」

 日食は太陽が月に隠される現象だから、その中心が必ずどこかに存在する事になるの。そして、中心だと、きれいに金環になって金環日食になっている時間も長くなる。ある意味日食が一番良く見える場所。それが今回ウチから近くの場所にあるとなったら、行くしかないものね。

 「うん、綺麗な環が見たいからね。ところで、天音ちゃん。金環日食を撮影するんだけどこれで大丈夫かな?」

 そう言って私は持ってきた機材を天音ちゃんに見せた。

Ecl_ts_00

 今回私が持ってきた機材はデジタル一眼レフカメラ、以前使っていた旧式のコンパクトデジタルカメラ。それに写真撮影用のデジタル一眼レフ用減光フィルタに、日食グラス。これは2種類あって表面が鏡のように銀色をしている蒸着式と、原料に有害光をカットできる素材を練りこんで作られた黒いシートのようになっている物を持ってきた。

 「はい、十分ですね。それでメインはどちらですか?」

 「一眼レフね。せっかくNDフィルタも購入したんだし。それに写りもいいからね」

 「NDフィルタは…D4の角型にホルダー式ですね。なんだか千里さんらしい選択ですね」

 「こっちの方が汎用性が効くかな?って。それに寸前で買おうとして売れきれちゃうと困るから、2年前に日食があるって知った時に買ったの。今はもっと安くて丸型フィルタがあるみたいだけど」

 カメラにとりあえずフィルタを装着して試し撮り。

Ecl_ts_01

 撮影のシャッター速度、露出はカメラ任せ。つまりプログラムオートにしてパシャリ。撮影した画面を天音ちゃんに見せる。

 

Ecl_ts_02

 「どうかな? 焦点距離は270mmで絞りはF/11、シャッター速度が1/500で感度はISO200なんだけど」

 「そうですね、太陽が白く飛んじゃっていますから、マニュアルでシャッター速度を早めにして、絞り値を上げた方が良いでしょうね?」

 「じゃぁ…絞りをF/20にして、シャッター速度は1/2000で…」

 これで再び撮影。

Ecl_ts_04

 モニターを二人で見ながら確認してみると

 「あ、今度は輪郭がハッキリしている感じだね」

 「はい、適正ですね。それに」

 そういって天音ちゃんは撮れた太陽を拡大すると

 「あっ、黒点」

 「黒点です。先ほどのですと形は確認できますが白く飛んでしまっているので解らなくなってしまうんですよ」

 「じゃぁ、本番はこのくらいのシャッター速度と絞りでやれば良いのね」

 「ただし、日食の場合は当然ながら太陽が徐々に欠けて暗くなっていくのでそのつど調整は必要になりますが、ただし、あまりカメラを太陽に向けておく訳にはいきませんから」

 「そっか、フィルムだったらまだ良いけど、デジタルカメラだとCCDセンサーが太陽の熱でやられちゃうものね」

 「それに、ちさとさん。今日はまだ2ショットでしたけど、ファインダーから覗くのは目に良くないですよ」

 「えっ!D4フィルタを付けただけとダメなの?」

 「はい。D4フィルタで眩しさは多少軽減できていますが太陽は明るいですし、何よりもUVやIRは素通しなので目にダメージを与える事になってしまいます」

 「そうなの?じゃぁ、モニターでの撮影が安心ね。ところでD4フィルタとかD5フィルタってあるけど、これってどういう意味なの?

 「D4、D5フィルタの4、5という数字は減光割合の数値でして、Dの後の数字は10のn乗減光できる事を表しています」

 「つまり、このD4フィルタだと、4だから10の4乗減光できる事になるから減光値は…1/10000って事?」

 「そのとおりです。D5でしたら十万分の1になりますね。ただあまり数字が大きくても日食のように徐々に暗くなっている場合露光不足になってしまうこともありますから。でもD4、D5で十分ですので。ちなみにいくらD5フィルタが暗いからといって日食グラスの代わりに使ってはいけませんよ」

 「それってさっき言っていたUVやIRを透過しちゃうからってコト?」

 「そのとおりです」

 「そうなんだ…日食グラスって撮影用フィルタに比べて像がシャープじゃないからD4フィルタでも良いかなって思ったんだけどダメかぁ」

Ecl_ts_03

 「欠け具合を確認するには日食グラスの見え方でも十分ですよ」

 「それで今回日食グラスは2種類あるんだけど、これってどっちが良いのかな?」

 

 「特にどちらも大きな差はありませんが、蒸着式の場合経年劣化がありますので、2007年の日食の時に使った物を利用するときは事前に蒸着部分が劣化していないか確認したほうが良いでしょう」

 「そうなんだ。話で聞いたんだけど、市販されているのであまり適していないのがあるみたいね。スーパーとかでも安く売っていたりするみたいだしね。一応これはSODAPSOBOMEX社のフィルタを使っているから大丈夫らしいし、もう一つのほうもビクセンのソーラプロテックだから平気どと思うんだけど」

 「値段は関係ありませんが、やはり太陽を見る前に一回確認する事が大事ですね。それと日食グラスをしているからといって長時間太陽を見るのはダメですよ」

 「日食の観察に夢中になってついついやっちゃいそうね。天音ちゃんとしてはお勧めの日食グラスってあるのかしら?」

 「特にコレというのはありませんが、選ぶ基準としてはなるべく大きいのが良いでしょう。目の周辺を覆うだけの物ですと、横から太陽光が入ってしまいますので、直接はありませんが、間接的にじわじわダメージを受けてしまう事もありますからね。あとは、しっかりした物ですかね?」

 「そっか、なるべく大きめなのかぁ、そうすると、このシート状のは適しているワケね。でもこれは一般流通していないみたいだし…。市販の日食グラスに大き目のダンボールでメガネ部分に合うように切り抜いて貼り付けて顔全体を覆うようにすれば良いのかな?」

 「そうですね、ひと手間加えてみるのも良いでしょうね。それと帽子も被っておいた方が良いですね」

 「あと、使うときの注意事項としては何があるの?」

 「多分ちさとさんは天体観測に対して知識があるので、やらないと思いますが日食メガネをつけて双眼鏡や望遠鏡は絶対に覗かないでください」

 「それは当然よね。だって集光して何十倍、何百倍にするんだからね。つまり、太陽の熱と光を一点に集中させる事になるんだから。そんなんで日食グラスの減光素材はただでさえ熱に弱い樹脂でできているんだから瞬時にダメになっちゃうもの」

 「確かに双眼鏡、望遠鏡用の減光フィルタはありますが、あくまで専用品ですからね。こちらも使うときは長時間の使用を避けてくださいね。あとは日食グラスをつけたまま歩かないようにしてください」

 「当然ね。太陽を直接見ても平気なくらい減光しているんだから、日食グラスをつけたままだと太陽以外は真っ暗で何も見えないものね」

 「日食グラスは万能ではありませんから注意事項は良く守って、事前に付けたときの感覚を確認をしておくことが大事ですから」

 「ところで、私はデジタル一眼レフを持っているから良いけど、コンパクトカメラだとどうすればいいのかな?フィルタを付けるようにはなっていないし」

 普及したとは言え、まだまだ一眼レフなんて持っている人は少ないからね。多分お手伝いするときにも聞かれるかもしれないしね。

Ecl_ts_05

 「難しい事では無いですよ。それに今のコンパクトデジタルカメラはファインダーが無くモニターだけですので目を傷める心配も少ないですし片手で楽に扱えますから」

 そういって天音ちゃんはコンパクトデジタルカメラを右手で持ってまずは一枚

Ecl_ts_06

 そしてモニタを私に見せてくれた、写っていたのは当然ながら太陽の部分は真っ白で普通の逆光状態の写真。

 「何もつけないで太陽をとってもその部分は白いだけですよね?コンパクトデジタルカメラにはフィルタ用のネジはありませんが、フィルタを手で持ってレンズに直接当てれば…」

Ecl_ts_07

 天音ちゃんはコンパクトデジタルカメラを右手で持ち、左手でレンズの前にD4フィルタを手で当てながらシャッターをパチリ。

 「そっか、こうすれば撮影可能ね」

 「あと、コンパクトデジタルカメラはレンズ部分が小さいですから」

 そういって今度は日食グラスをレンズに当ててパシャリ

Ecl_ts_08

 するとモニタには日食グラスで見たときと同じような太陽が

 「こういうことも可能です」

 「そっか、そうすればD4フィルタが無くても撮影できるわね」

 「はい、ただコンパクトデジタルカメラは性能の面で一眼レフカメラに劣っている部分がありますので」

 「どうしても像が甘くなっちゃうのね?」

 D4フィルタの時はシャッター速度や絞りを細かく調整できないから太陽部分は飛んじゃっているし、露光は完全にオーバー。太陽の形もハッキリは解りづらくなってるし、日食グラスは特性上像がシャープじゃないし、何よりも太陽が小さい。そりゃこのコンパクトカメラは10年前のでズームも20mmだし

 「コンパクトデジタルカメラも性能が良くはなっていますがやはり一眼レフに比べると撮影には工夫が必要になるでしょう。それと、先ほどもデジタル一眼レフのときにもお話しましたが、コンパクトデジタルカメラは直接CCDセンサーに太陽光が当たってしまうので撮るときだけ太陽に向けるようにしないとセンサーが焼けてカメラが壊れてしまいます」

 「それは今はやりのミラーレス一眼も同じね。あ!」

 天音ちゃんはコンパクトデジタルカメラのレンズに日食グラスを付けて撮影していたって事は…。

 「ねぇ、天音ちゃん。これでもレンズに日食レンズを当てれば撮れるよね?」

 そういって私がポケットから取り出したのはスマートフォン。つまりケイタイだってできるはずよね?最近のケイタイはカメラの性能も良くなっているし。 

Ecl_ts_09

 

 「はい、可能ですね」

 レンズの位置にうまく日食グラスを当てて、真っ暗なモニタに太陽を入れて…。

 カシャッ

 「ねぇ、どうかしら?」

Ecl_ts_10

 「そうですね…使えないことは無い。といったところでしょうか」

 10年前のコンパクトデジタルカメラに比べれば画素数も確かに上なんだけど、やっぱりオーバー気味

 「う~ん、コンパクトもケイタイも露光が問題かぁ…」

 「そうですね、撮影するときは調整できる範囲で絞りを大きくするしかありませんね」

 「いい案だと思ったんだけどなぁ」

 「でも、コンパクトカメラやケイタイでも安全に太陽の形をハッキリ撮影する事は簡単にできますよ」

 「こんなに苦労しているのに?簡単に?」

 「これを使います」

 自信たっぷりに天音ちゃんがポケットから取り出したのは乙女の必需品の円形のコンパクトミラー。

 「鏡?」

 「そう鏡です」

 コンパクトミラーに太陽光を反射させて20mほど先にある橋げたに向けると、当然ながら丸い反射光が橋げたに投影されたんだけど。

 「ごめん、天音ちゃん、これがどういう関係があるの?」

 「今、橋げたに写っているのは太陽の光を反射させた光ですが、太陽の形を映し出してもいるんですよ」

 「映し出している…って鏡が丸いから反射光も丸いんじゃないの?」

 「ちさとさんピンホールカメラって知っていますか?」

 「ええ。昔理科の実験でやったことがあるけど」

 「それと同じ原理です。今は手鏡をそのまま反射させましたが、鏡面にパンチ等で穴を開けた紙を貼り焦点をうまく合わせれば綺麗な円で映す事ができます」

 「そっか。これならケイタイでもコンパクトカメラでもシャープな像が写せるわね。それに直視じゃないから目を傷めにくいし、大勢でも観察できるわね」

 「はい、さらに応用としてピンホールそのままを使う方法もあります。こちらはもっと簡単で、画鋲や千枚通しで紙に穴を開けなるべくなら白い物に写せばよく見えます。さらに穴でなくて木漏れ日でも見ることができますよ」

 「それは知ってるわ。良く日食の時の木漏れ日が欠けた太陽の形になってるって話を聞くもの。アレもピンホールの一種なのね。って、知っていたら何で思いつかなかったんだろう…」

 「多分カメラで直接や直視で見ることで考えていたからでしょうね」

 「何も直視する事を考えなくても方法はあったのね」

 「ピンホールの応用でピンポールスコープというのもありますね。これはラップ等の筒や、ダンボール箱を使う方法で、ラップの筒ですと白いレジ袋や半紙、トレス紙をしわの無いように筒の一方に輪ゴムでとめて、反対側も同様にしてアルミホイルを張り、アルミホイルの中心辺りに画鋲で穴を空ければ完成です。ダンボールでも同様にして一方を切り抜きレジ袋やトレス紙を張り、もう片方には2cm角くらいに中心を切り取り、アルミホイルを張り付け中心に画鋲で穴を開ければ完成です」

 「ホント簡単にできそうね」

 「このピンホールスコープですが投影される太陽の大きさはピンホールから投影面までの距離のおよそ1/100となります」

 「つまり30cmのラップの芯を使えば投影される太陽は3mmくらいって事?」

 「はい。ただし距離を伸ばせば大きな像になりますが、その分装置も大きくなってしまうのが欠点とも言えるかもしれませんが、手軽に安全に見る方法の一つとして考えておいていただける方法です」

 「やっぱり、天音ちゃんは良く知ってるね」

 「いえ、私なんてまだまだです」

 「日食を見るに当たっての注意事項は他にあるかしら」

 「以外に思われる事なのですが金環日食は皆既日食と違って最大食のとき、金環状態になったときですね。その時にも太陽は普段と同じように輝いて見えますので、最大食のときでも決して肉眼で見ないでください」

 「え?だって最大食の時でしょ?」

 「太陽は1%でも見えていれば十分に明るいのです。それと、当たり前の事ですが、日食グラス以外のもので太陽を観察しないことですね」

 「よく言われている黒い下敷きや煤ガラス、感光フィルムにサングラス、黒いポリ袋とかCDなどの光ディスク、フロッピーディスク、アルミ蒸着保温シート…ともかくそんなような光を減光するだけの物でしょ」

 「先ほども言いましたが、撮影用の減光フィルタもダメです」

 「これらは目に有害な紫外線や赤外線を通しちゃうからでしょ」

 「有害な光線を通さないからと言って日食グラスでも1分以上継続して見る事は避けてください。それと日食グラスはあくまで肉眼でのみ有効ですから、日食グラスをしても双眼鏡や望遠鏡は絶対に覗かないでください。」

 「あとはうっかりやっちゃいそうなのが、太陽を日食グラスで太陽を探しているときに見えなくて確認使用して太陽を直視しちゃうとか?」

 「意外とそういった事例も多いようです、ふとした弾みで観測中に日食グラスから目を離して直接太陽を見てしまう事が。太陽が僅かに見える薄くもりの時の一緒ですね。日食の時に太陽の光で網膜を痛める網膜症が多発するので、日食網膜症といった名前がつけられているほどです」

 「風が吹けば桶屋が儲かるみたいね…。薄くもりの時も紫外線や赤外線は地上に届いているからね。ともかく、日食グラスやピンホールで観測するのが安全で確実に楽しめる方法って事?」

 「正しい観測方法は被害もありませんし、確実に観測できる方法なのですから」

 「だから、正しいって事なのね」

 「日食については2012金環日食日本委員会国立天文台のウェブサイトで詳しい情報もあります。さらに解りやすく解説されている動画もありますのでそちらもあわせてご覧ください」

 

 「ともかくあとは、当日の天気だけが問題ね」

 「はい、こればかりは管轄外ですから…。やはり当日は晴れて欲しいですね」

 「そうね…晴れて欲しいわね。ねぇ、天音ちゃん。この後予定は?」

 「特にはありませんが」

 「じゃ、ここからちょっと距離はあるんだけど、面白いのがある喫茶店見つけたの」

 「面白い?」

 「熱々のデニッシュにソフトクリームが乗っていてそれにメイプルシロップをかけてね」

 「わぁ、おいしそうですね」

 「じゃ、行こうか」

 連休の最終日、楽しいことはまだまだ続きそう。

 fin

 とそんなワケで、日食について長々と説明してみました。原理とかは別としてやはり「見る」時には十分な注意と正しい装備で望みましょうね。

 それでは本日の登場人物はこの方。物語でも紹介しましたが「天体」や「プラネタリウム」にある事をきっかけに興味を持ち始めた「森谷 ちさと」さんと、現在「精霊士官学校」で「天象精霊」になるべく為に修業をしている「織河 天音」さんです。早い物で後半月で日食です。晴れてくれることを願うしかありませんが…。

2012_05_06


 

コメント (2)
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