レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

マンガ短編についてまとまらないごちゃごちゃ 居間今。2巻

2016-01-16 13:41:59 | マンガ
 mixiで「短編の名手といえば」という記事が紹介されていた。手塚治虫や高橋留美子などの名前が挙がっている。小説家ならば阿刀田高やチェーホフの名前が出てくるところだ。どう区別するのかなんとなくの目安はあるだろうが、私の感覚では、本1冊にできるほどあれば長編扱いしている。
 ではマンガの場合はどうだろうか。
 「ぱふ」の「ベストテン」では、100ページまでが「短編」部門、ただし一挙掲載は長くても短編扱い、というルールになっていた。すると「読み切り」は「短編」とほぼ重なるということになる。しかし、4コマ雑誌の連載が早々に終わってしまったものはなんだろうか、どちらでもしっくりこない。
 そして、たとえ長期の連載でも、一話完結ものは狭い意味での長編とは違うような気がする。『ベルばら』や『緋色い剣』は長編だが、『エロイカ~』はどうも違う。もっとも、あれも初期には一つの話が1回の読み切りであったし、長いものではコミックス3冊ほどになる。
 逆に、一つの話は読み切りでも、それがシリーズ化しているならば「短編」とは言い切れない。
 ごちゃごちゃ言っているが、ごく、ごく、狭い意味で「長編」と納得できるものは、一つの(複数プロットということもあるが)ストーリーで長く続いているもの。区切りがあっても「第1部」「第2部」とそれぞれが充分に長いもの。「短編」の中の短編とは、本当にその話で完結していて、シリーズ化などはしていないもの。そんな気がしている。
 これはいちおうの私見である、もちろん。

 こういう条件にあてはまる、私の好きな短編を列挙してみると、
川崎苑子『夢のむこう』『スノードロップ』『星の庭から』『野葡萄』等
あずみ椋『カウントダウン』『選ばれし者は独り』『生命の樹』
川原泉『Intolerance・・・--あるいは暮林助教授の逆説』
 ほかに遠藤淑子、桑田乃梨子等の名前が挙がる。
 あ、TONO作品も。『カレンのファスナー』にはいっている『王女さまははだか』は最高(と言いながら、タイトルが正確かどうか自信がない。「お姫様」かもしれない、「さま」か「様」か忘れた)。
 「短編の名作」として挙げるには、話にひねりがあって(または、雰囲気に魅力がある)キャラ萌えに頼らないことが私にとっての条件だということなのであろう。

 私の知る黄金時代の「別冊マーガレット」は、全部読み切り(前後編はあった)という原則があった。看板の美内すずえ、和田慎二はほぼ毎回数十ページの面白い作品を載せていた。それに次ぐ位置に河あきら、市川ジュンがいた。思えばたいへんな時代であったものだ。

 読み切りと連載のどちらに重きをおくかは、雑誌の発刊ペースにもよるだろう。週刊誌ならば1回ぶんの少ない連載が多くなるにしても、短めの連載を面白くまとめられる人材を育てておくべきだと思う。「10回」連載は「不人気打ち切り」の最小単位という感じだけど(そうでなかったら失礼した)、10回でもその中で楽しませる腕は貴重なものではないのか。
 人気があれば引き延ばしという制度を私は憎む。雑誌の一部にそういう枠を設けるにしても、看板以外の中期連載で読者をつかむことだってもっと考えてもいいだろうに。
  (私はジャンプ等を読んでいるわけではなく単に噂で憤慨しているだけなので、実情に合っていない偏見があればおわびします)


 もう二つ。

 先日コンビニで、「人気アニメ・マンガのありえないミス200」というシロモノを発見した。『エロイカ~』も出ていたので買った。
 アニメでのひどい作画崩壊ぶりなども挙げてあってある意味悪趣味な本であるが、傾向変わり過ぎのマンガなどはなかなか笑える。ところで『エロイカ~』の説明にはしょうもないミスがある。少佐の登場は2巻からじゃないよ、第2話からだろ。「クラウス大佐」ってなんだよ、そもそも階級名をファーストネームにつけるなよ。

 先月出た『居間には今外国人がいます。』のレビューを貼っておく。
「居間今。2巻アマゾンレビュー」
コメント
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