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拡大撮影システムの構築

2010年11月09日 | 観測グッズ
では、天ガ12月号の記事に沿って調べていくことにしましょう。

現在使っている望遠鏡はケンコーのSky Explorer Ⅱ SE 200Nです。

実売価格は¥31,000ですが、それなりによく見えるコストパフォーマンスの
高い望遠鏡と言えます。口径は200mm、焦点距離は1.000mmです。

では、はじめにこの望遠鏡の遮断空間周波数υを調べてみましょう。
遮断空間周波数は像の明暗を見分けられなくなる細かさの限界です。

「天体望遠鏡が見分けられる明暗模様の細かさの限界を知ろう」
遮断空間周波数の計算式 υ=1/(λF)=D/(λf)
D;対物レンズの口径(mm)
f;対物レンズの焦点距離(mm)
F;対物レンズのFナンバー F=f/D
λ;光の波長(mm)
λは500nmとして0.0005mmで計算します。

SE200Nυ=1/λF=1/(0.0005×5)=400
つまり「ミリあたり400本」となります。

ここでHC=12mmを使ったときの合成焦点距離を出してみましょう。

合成焦点距離=対物レンズの焦点距離×拡大率です。

接眼レンズによる拡大率は
=接眼レンズからCCD面までの距離/接眼レンズの焦点距離-1
=105mm/12mm-1=7.75  になります。

合成焦点距離=1000mm×7.75=7.750mm(F38.75)です。
遮断空間周波数は1/λF=1/(0.0005×38.75)≒51.6になります。

次にこのシステムで撮影した木星の像の直径φ(mm)を計算します。
木星の赤道視半径ωは20″とします。

φ=2ftanω=2×7750×0.00009599≒1.49
木星像は1.49mmとなります。

拡大システムの遮断空間周波数はミリ51.6本なので
1.47mmの木星像に当てはめると51.6×1.49≒77

よって木星像全面に等間隔に引いた77本の線が
見分けられなくなる限界といえます。

では、今までで一番良く撮れた木星で調べてみましょう。

この写真の木星は赤道直径が98mmあるので1.3mm幅くらいの
模様が見分けられることになります。

計ってみると1.3mm幅くらいが写っているのでこの木星は
このシステムで撮影できる限界に達した画像かもしれません。

では、SE200Nは合成焦点距離を何mmまで伸ばせるのか?
それを探っていくことにしましょう。…つづく

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