トントン

どうしてこうも、悪い事ばかり続くのかと、
嘆くこともあれば、全てが順風満帆で、却って、
後にどんな困難や不幸が待ち構えているのかと
怖れることもある。

しかし、考えればそれも当たり前のことで、
人生トントンとはいっても、今日悪いことが
あったから、明日いいことがあるとは限らないし、
今月は順調だったから、来月は苦労するとも
限らない。

要するに、長い人生を鳥瞰して、おしなべれば
トントンという事であり、規則正しく良いことと
悪いことが交代で起こるわけではない。

良い事ばかりでもなく、悪い事ばかりでもない
以上、悪いことが続いているようでも、それが
そのまま永遠に続くわけではないし、その逆も
しかりである。

長い目で見れば、大体は半々であろうとは思うが、
どうしても目の前の現実に囚われながら、日々を
生きている。

それに一喜一憂しながら生きていくことに変わりは
ないが、それを一謝一省として、良い事には感謝し、
悪い事には反省していくなら、少なくとも
翻弄されない、動じない自身をつくって
いけるだろう。

幸運であれ、不運であれ、それは起きるに任せて
おいて、自身の生き方においては動じない。

天命を知るには至らないが、不惑には近づいて
きたようである。