ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

脳 シュリンク

2006年03月30日 | ノンジャンル
昨年より、殊に新聞などで、「アルコール」「お酒」「依存症」という
キーワードが見出しとなっている記事に、敏感となっている。

「うつ」などの心療関係のキーワードも多いが、気のせいか依存症に
関わる記事が段々と増えて来ているように思える。
参考にはなるのだが、喜ばしい事ではない傾向だろう。
ただ、一般的な理解と、認知が広がってきたというか、広がりつつ
あるのは好ましい事だ。

依存症予備軍が圧倒的に多い中、未然のうちに啓蒙し、予防線を
張るという事においては、重要な事でもある。

特集記事では、若年層のアルコール依存症について詳しい調査が
出ていた。
記事は別途保存したが、私などのように20年以上の年月を掛けて
依存症へと移行していったのに対し、若年層の場合は、数年で
依存症となるケースが多いのだそうだ。

これは、アルコールに対する代謝能力が、未だに成熟していない
事も大きな要因だ。
「お酒は二十歳になってから」というのは、的を射ているといえる。
考えれば、私が通院している病院の患者さんの中にも、若い方を
多く見かけるようになった。昔は高齢の方が殆どであったようだし、
確かに現在もその数は圧倒的に多数なのだが、明らかに20代や
30代の若い人達の患者数は増えている。そして、女性の数も、
年齢を問わず増えてきている。平均的に女性の肝臓は男性の
3分の2程で、その分代謝能力が落ちる事になる。
様々なストレスから、嗜好品としてのお酒に頼るようになって
しまった時、依存症への道が出来てしまう。
代謝能力の小さい、若い人や女性は、特に気をつけなければ
ならない。

少し主題から外れたが、若くしてアルコール依存症となった方と、
健常者の脳のCT影像が対照的に掲載されていた。これまでも病院や
文献で見た事はあったが、その患者の影像は、かなりショッキング
であった。
脳が歪んだドーナツ上に萎縮し、外側、内側の空洞部が非常に
くっきりと見て取れる。この脳では、もはや普通のというか、
平凡な生活は難しい。
事実その患者は、まだ20代前半というのに、廃人のようになって
しまっている。




「我慢」「理性」を司る前頭葉は、驚くほど萎縮し、まるで動物の
脳を見ているようだ。
これでは平常な日常生活は送れるはずも無い。恐ろしいほどの
シュリンクだ。
現在ではこの萎縮も、断酒によって、脳細胞が再生するという
説もあるようだが、僅か数年でここまで破壊?してしまった
ものを再生するには、気の遠くなるような年月が必要と思える。
そうなってしまった方には気の毒ではあるが、私のように断酒を
続ける立場の者にしてみれば、大いなる警鐘となるのである。


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