ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

頑固おやじ

2018年06月26日 | ノンジャンル
車で信号待ちをしていた時の事。

「なにやっとんじゃ、あぶないやろが!」という
怒号が聞こえた。

見ると、原付に二人乗りした若いのが、歩道を
通っていたようで、自転車に乗ったおじさんが、
その二人を叱り飛ばしたという事だ。

原付は走り去ったが、若いのに反省の様子はない。
おじさんは二度三度と後ろから怒鳴っていた。

子供の頃は、近所に必ず怖いおじさんがいて、
いたずらや、悪いことをすると、誰彼無しに
大きな声で叱っていたものだ。

頑固おやじというのは、何も家の中だけではなく、
どこにいても頑固おやじなのである。

叱られた方が逆切れしておじさんを刺すという
ような事件もあったが、いまだにこうして
怒鳴るおじさんがいるというのは嬉しい。

何も言わず、放っておけば、何事もないだろうが、
それはいわゆる無責任な事勿れ主義である。

家族に、地域に、頑固おやじが少なくなってきた
からこそ、その関係の希薄化が進んできた。

頑固おやじの風格も貫禄も私にはないが、
見た目は怖いとよく言われる。

いつだったか、明らかに未成年と思しき子が
タバコを吸っているのを見かけて、「いくつだ?」
と声をかけたことがある。

訊くまでもなかったのだが、驚いたのか、
その子は慌てて煙草を消した。

「タバコなんぞはいつでも吸える。今はしっかり
 飯食って、身体を作れ。」と言うと、素直に
うなずいていた。

身長の高い私が、文字通り上から言ったので、
説得力があったかもしれない。

細かいことを口うるさく言う必要はないが、
言うべき時はしっかり言う。

これを自然に腹に据えているのが頑固おやじ
だろう。

言わない無責任。 言う覚悟。
頑固とは、この覚悟を持ち続ける事であろう。