ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

笑顔を守る

2018年06月07日 | ノンジャンル
涼やかな目の、輝く笑顔に惹かれる。
家内の笑顔は、それまで出会ったどの笑顔よりも
輝いていた。

それは今でも変わらない。

明日からは控える、飲みすぎない様にする。
何度約束し、何度裏切っていた事か。

そしていつしか、彼女の顔は曇っていった。
いつもあの輝く笑顔でいて欲しい、その為なら
何があろうと頑張れる。

そう思ってきた自身が、彼女の顔を曇らせている。
そうさせている自分が腹立たしい。

守りたい笑顔を守れず、その原因が自分自身で
あるという現実に翻弄されていた日々。

私が断酒を決意し、クリニックへ行った時も、
彼女の顔は不安と心配で曇っていた。

ワンクールを経て、仕事に復帰した時も、
私を励まそうと無理をしているのが見て取れた。

復帰後すぐに来客があり、接待でお酒の席に
臨む状況となった。

海外からの来客で、数日滞在することもあって、
久し振りに連日帰宅は午前様という状況だった。

間違いなく、また飲んでいるだろうと思っていた
彼女の落胆と、絶望に似た顔は忘れられない。

ひと段落して、私がその間、一滴も口にしなかった
ことがわかると、またあの輝くような笑顔を
本当に久し振りに見せてくれた。

心からの安堵であっただろうが、私にとっても、
あの笑顔を取り戻せたという、震えるような
感動があった。

もう二度と、長い梅雨のような曇った顔を
させまいと、改めて自身に誓った時でもあった。

今、手を振りながら見送る笑顔は、まさしく
私が守りたかった笑顔である。

そして、その笑顔に自身もまた
守られているのである。