ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

薬物

2017年10月05日 | ノンジャンル
昨日は、医療事故について書くつもりでは
なかった。

事故の記事を読んで、薬物について改めて
書くつもりだった。

基本的に、薬物自体は善でも悪でもない。
人体に対して、用法により薬にも毒にもなる。

毒にも薬にもならないものは薬物とは言わない。

モルヒネは、いわゆる麻薬中毒のイメージで
忌避されるが、無論のこと、医療薬として
使用される。

末期癌など、最終医療においては、ともかく
患者が最後の日を迎えるまで苦痛を取り除き、
穏やかな日々を人らしく過ごさせるのが主眼で、
モルヒネなどの薬物は不可欠である。

その薬効の強弱はあれ、アルコールも薬物に
他ならない。

ただ、繰り返すが、アルコール自体は自然界に
あるもので善でも悪でもない。
しかし、用法により、毒にも薬にもなる。

実際に急性アルコール中毒で死ぬケースも多く
ある半面、お酒という嗜好品や、殺菌・消毒剤
という形で日常的に使用されてもいる。

薬物やアルコールに罪はないが、それを用いる
人間側の問題である事に変わりはない。

よって、お酒も麻薬も、善でもなければ
悪でもない。
だが、薬にも毒にもなりうる。

端的に言えば、アルコール依存症とは、
その毒性に侵されてしまった不可逆的な疾患である。
よって、外的な殺菌・消毒以外では、アルコールは
常に毒となる。

お酒には何の罪もない。善でも悪でもない。
お酒を恨むのはお門違いで、自身にとっては、
もはや毒でしかなくなってしまったという事である。

わざわざ毒を飲む必要もないし、
毒を勧めることもなかろう。

ここのところを、依存症患者本人も、その周りの
人達も病識として共有する必要があるという
事なのである。