ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

秘めた想い

2008年06月08日 | ノンジャンル
昨日は週に一度の通院日でした。

帰国後病院へ直行したので、ゆっくりしようかとも思いましたが
リズムを取り戻す為にも出掛けました。

出張帰りの翌日は、疲れがどっと押し寄せます。
先生も「疲れが出てるねぇ」と、しげしげ私の顔を
見ておられました。

今回の出張は、断酒初期の頃であれば、精神的にも肉体的にも
到底無理であったろうと思われます。
それにしても、回復の度合いに応じて、様々な課題もハードに
なっていくのは不思議なものです。

ところで、点滴の処置を受けていた時に、とある患者さんに
向かって、看護師さんが「○○さん、お久し振りですね。」と
笑顔で声をかけられていました。
何という事は無い会話なのですが、ふと違和感を覚えて
目を向けると、笑顔の中に淋しげな陰が。。。

「お元気でしたか?」と、笑顔のまま尋ねられると、
その患者さんは、「失敗しました。3回目です。」と。。。
それには答えずに、注射の処置をして、看護師さんは笑顔のまま
「また、ちゃんと来てくださいね。」と声をかけておられました。

その患者さんも、お酒でやつれた姿でしたが、その姿を見ている
看護師さんの胸中を思うと、やりきれないような気がしました。
再びお酒で痛めつけられた姿を見て、それまで回復を
少しずつでも見守ってきた彼女はどんな想いであったのでしょう。

その心のうちは計り知ることが出来ませんが、それでも笑顔で
見送っていた姿を、なんだかおかしな話ですが、私が申し訳ない
気持で見ていました。

笑顔の裏に秘められた、たまらない想いを垣間見たようで、
何があろうとそんな想いを誰にもさせてはならないと、
改めて肝に銘じました。

家族はもちろんのこと、この病気になって出会った様々な人達は、
私にとっては決して裏切る事の出来ない人達なのです。

飲んでいた頃は、様々な形で家族も人も裏切ったことが
あったでしょう。
それを病気のせいにするつもりはありません。

今、少なくとも病気を知り、自分を知り、生きる責任を
知った上で、見守る人を裏切る事は許されないのです。
いや、そんな自分をもう許す事は出来ないでしょう。

そしてそれが、自身の断酒を支えてくれてもいるのです。