Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

パリのテロと友人達・冷静な分析を始めた欧州のメディア

2015年11月18日 | 国際・政治

私のフランスの友人達のうち、パリおよび近郊に住んでいるのは2名。 

パリ近郊に住む友人の方は、ちょうどテロが起来た時間とほぼ同じ時間帯に私にメールをくれていたため、無事は確認できました。 

パリの左岸に住む友人の安全確認はちょっと時間がかかりましたが(彼女は英語が苦手なうえ、問い合わせメールがたくさん届いているだろうと、現在米国に住む彼女の弟さんに確認)、こちらも、彼女や家族、友人達に被害はなし。 

今年3月に書いた
欧州旅行に乗り気になれない理由、そして観光客激減のパリ
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/9feadb9e034c0edda96d60f686c13910
に登場してもらった、N氏のご子息はこの日サッカーを観に行こうと思っていたものの、仕事が忙しくてそれを断念して、無事。 

今回、フランスの友人達には、テロの被害者に対するお悔やみのメールを送りましたが、それ以上のことは書けませんでした。 

それは彼女たちがテロに対して強いショックをうけているからでもあり、そのうえ、オランド大統領の戦争宣言(実は中東アフリカをフランスは戦場にしているわけですが・・・)でフランスが今より一層危険にさらされる道を選んだということからでもあります。 

パリ在住の友人の弟さんからのメールの末尾の、
”Hope all is well on your side of the world.”
という1行を見て、彼への返事もどう書こうかとしばらく考えてしまいました。 

さて、現在私がフランスの友人達にお悔やみ以上のことを言えないのには、もう一つ理由があります。
それは、私が現在オランドがしようとしていることに批判的であり、もしかしたら何気なく書いた言葉にそれが現れてしまうことがあるかもしれない、ということ。

現在の日本や米国でのニュースを見ているかぎり、私のような意見をタブー視する人が増えてきている気がし、もしかしたら平和主義的だった友人達も敏感になっているかもしれない、と思うからでもあります。

しかし、一部の欧州メディアの客観性とフェア精神は、不滅のようで安心しました。 

IB Times(2015.11.17)
パリの同時多発テロ、空爆だけでは解決できない(Swiss.Info)
http://jp.ibtimes.com/articles/1610021 

パリの同時多発テロのショックから立ち直ったスイスのメディアは、16日付けの新聞で冷静に分析を展開した。大半が「テロを撲滅するには、シリア空爆などの軍事介入だけでは解決できない」と書く。さらに各紙の編集長は、「フランス及び欧州各国は、対イスラム国空爆に加わる有志連合の再定義を含む、息の長い本当の意味でのテロ対策を考えていくべきだ」と主張する。各紙の論説を拾った。 

 スイスの多くの新聞が、米英仏などのシリアへの軍事介入の「効果」に疑問符をつける。「敵は確かにイスラム国(IS)なのだろう。しかしフランスも加わる有志連合による空爆は、ISをシリアやイラクから追い出すには有効ではない。たった一つの解決策は、政治的な解決であって、それはアサド大統領の退陣だ。それが根源的な『悪』を断ち切ることになるだろう。ただし、悪という吸血鬼が新しく餌食を見つけるまでの間の解決だが…」と、フリブール州の日刊紙ラ・リベルテは書く。 

 チューリヒのターゲス・アンツァイガー紙も、ISによる西欧でのテロは軍事的な問題ではなく、政治的な問題なのだと言う。「2001年の9・11後の米国によるイラクへの軍事介入が、(歴史のアイロニーだが)ISの誕生を促した。だからこそ、戦争という美辞麗句を使う、ないしはそれを実行に移すには慎重でなくてはならない」 

フランスはすでに戦争に突入している 

 オランド仏大統領が「フランスは同時多発テロで戦争に突入した」と発言したことを受け、ル・タン紙は「フランスはこの13日に戦争に突入したのではない。この国は、アフガニスタンやシリアで、また11年にはリビアで戦争に参加し、13年には西アフリカのマリで軍事介入をしている。こうした軍事介入(戦争)こそが、フランスの旧植民地が抱える癒えない傷を背景としながら、イスラム過激派に対しフランス本土を、そしてその首都を、テロの標的にするよう差し向けている。空爆をさらに強化することは、解決には十分ではない。絡んだ暴力の糸を解いていくのは容易ではない。テロに対する勝利は、息の長い戦いになる」 

 左派の新聞のル・クリエはさらに強くこう言う。「空爆によって民主主義を押し付けようとするのは、限界がある。特に湾岸戦争のときのように、帝国主義的意図を内包してこうした空爆を行う場合はなおさらだ」 

解決策は? 

 では解決策に何があるのだろうか?「イスラムの国々の権力者たちは、単に今回のテロを糾弾するだけではなく、テロリストたちがどこにいるのか探し出す手段を講じるべきだ。また非難から逃れて今なおテロリストたちに資金援助を続けるサウジアラビアやカタール(この2国を挙げるだけにとどめるが)に対し、圧力をかけるべきだ」と論じるのは、トリビューン・ド・ジュネーブ紙だ。 

(後略)

フランスに住んでいる一般の人々、世界中の一般のイスラム教徒、フランスやアメリカの空爆を受けている国、ガザの人々、皆、誰も殺し合いなど望んでいない、「平穏な毎日」がほしいだけ、だと思うのですが・・・。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニューズウィーク『パリとシ... | トップ | ニューズウィーク『パリ同時... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・政治」カテゴリの最新記事