百姓通信
自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!
ビジネスブログランキング
 



有機農業の技術確立のために、有機農業技術会議の第1回総合研究会が今日から彦根の県立大学を会場に開催されている。
「有機とは、何か?」「有機に日本の農業の将来を任せられるのか?」「有機は特別な人にしか栽培出来ないのか?」等、おそらく参加者全員がいろいろな思いを胸に参加し、この場で意見交換をし、意見交換出来なかったとしても、今後何かの機会に共に語り合っていくことになるであろう。
本日は、西村和雄氏の『有機農業の現状と課題』基調講演の後、呼びかけ人がパネラーとなってのパネルディスカッション・・・パネルディスカッションというよりも、多くの参加者との直接的な質疑応答、特に『化学肥料は何故駄目なの?』という質問に対して、各パネラーは
・化学肥料は石油から出来ている⇒化石燃料をこれ以上浪費することは環境視点でも避けなければならない。(日本の農地は、石油精製時の残渣の捨て場所になっていた・・・)
・少量でも効率よく効く為、窒素が圃場に残りやすい。残った窒素は、植物に硝酸態として吸い上げられるやすくなるため、健康を害する怖れが発生する。
・やはり味に差が出る、化学肥料で栽培された植物の栄養価は年々低下している。
・化学肥料は生態系に影響を与えている。生物多様性が自然界を守り、健康な農畜産物を育む。化学肥料は生き物からみると“邪魔”な存在以外の何者でもない。
・有機と化学肥料で育てられたそれぞれの水田の水の温度には違いがでる。如何に微生物が関与し、植物の成育に寄与しているかもっと観察する必要がある。
・化学肥料には“炭素(C)”がない。炭素はエネルギーの源であり、炭素をどう取り込み植物が成長するのか科学する必要がある。等
『化学肥料』に対してもその功罪を認めながら三者三様の答えが聴け大変興味深かった。有機は決して一筋縄では語れない、しかし、現代農業のシステムを如何に有機農業に切り替えていくか(そのシステムが従来の慣行農業とは明確に違うことを理解しながら)が最も大切であり、1+1=2ではない世界がそこにはあり、その世界が実は本当の世界であることを、ひとつひとつ課題を丁寧に解決し、ひとつひとつ着実に現場で結果を出していくことで証明していく必要がありそうだ。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )