こんなに石油が高騰すると、やっぱりエネルギーを自給しないと持続的な社会が築けなくなると気持ちだけが焦る。
植物は太陽からの光エネルギーを利用し、水と炭酸ガスから炭水化物を生成する(所謂、光合成!!)。この炭水化物の化学的エネルギーこそバイオエネルギーの源といわれ、バイオマスは、生産資源系(エネルギープランテーション系)バイオマスと未利用資源系(残渣系)バイオマスに大別される。
生産資源系バイオマスは主にエネルギー利用を目的として栽培する植物であり、ブラジルで栽培されているさとうきびやアメリカで栽培されているとうもろこしはその典型である。一方、未利用資源系バイオマスは、農林水産業における未利用資源や加工残渣、都市ごみ中のバイオマスなどがある。
生産資源系バイオマスとして栽培された植物(とうもろこしやさとうきび等)は発酵・蒸留させることにより生成され、バイオエタノールとなり、そのエタノールとは、通常お酒として飲むアルコールの純度を高めたものである。このバイオエタノールを燃料として利用すると、農作物が生長する過程で大気から取り込んで固定化した二酸化炭素を燃焼により放出するため大気中の二酸化炭素の総量が増加しないことから、温室効果ガスの排出量は0とみなされ、所謂カーボンニュートラル(カーボンとは炭素のこと)の実現となる。自動車用燃料としてはブラジル、米国等ですでに普及しており、世界的にはエタノールの7割はすでに燃料用として用いられている。通常はガソリンに混合して利用されており、米国ではE10(10%混合ガソリン)としての利用が一般的になっているいう。
日本でも環境省はバイオエタノール普及拡大への長期目標を明確にし、2010年にバイオエタノールを3%混合したガソリン(E3)を需要量の最大50%に導入。さらに2030年には混合割合を10%にまで高めたE10を需要量全量に導入することとしたらしい。
でもよく考えてみると、現在トウモロコシの世界全体の生産量は、近年6億トン前後であり、そのうちアメリカが4割程度を占め世界最大の生産国となっており、アメリカは世界最大の輸出国でもあり、シェアは6割を越えるといわれている。日本は世界最大のトウモロコシ輸入国であり、その輸入量の9割をアメリカに依存している。しかし、我々はいつも甲斐よしひろのようにポップコーンを頬張っている訳ではなく、その75%は飼料用として使用している・・・それじゃあ、やっぱり“お肉”や“牛乳”として食べている(カタチは違うが頬張っている)のか!?・・・ということはバイオエネルギーとして植物資源(さとうきび等は自国で栽培され実験されているが、トウモロコシ等を活用する前提だと)を利用することは環境にはやさしいが、ますますアメリカに依存することとなり、自給からまた一歩遠ざかる気がしてならない。
ましてや、トウモロコシの先物市場が昨年に較べて倍に上がっているとかいう噂を聞くと何をかいわんや。
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