湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

栗林中将・・・父の記憶

2014-12-28 10:38:27 | Weblog
硫黄島玉砕の栗林中将の話は
何年か前、クリント・イーストウッド監督により映画化されました
渡辺謙が主演でした

父は本物の栗林中将を見たことがあるそうです

「栗林中将はフォードに乗って湘南にやってきた」

ここで”湘南”というのは”湘南中学”のことです
現在の湘南高校です
父が旧制の湘南中学の生徒だった時に
栗林中将は湘南中学を愛車フォードに乗って訪問したのです

そのクルマはオープンカーでした
当時の父は自動車の名前など知らなかったのですが
誰かがフォードだと教えてくれたのだそうです

「立派な軍人だった」

それだけが、父の栗林中将の印象です

ただし、父は軍人一般には、あまり良い印象を持っていませんでした
当時の中学校には配属将校というのがいて
やたらと威張っていたからです

学校でも軍事教練が行われていて
ある時、父は行軍訓練の時に、銃を落としてしまいました
ちょうど階段の途中だったため
銃をすぐに拾い上げることができず、階段の下まで落ちてしまったのです
そして、嫌というほど、配属将校に殴られてしまいました

その時、父は

「絶対、軍人にはなるまいと思った」

ということです

この時の配属将校は、栗林中将に気に入られ
一緒に硫黄島に行き、玉砕したそうです
父は、ざまあ見ろという感じで、その話をしました

ただし、父は行軍訓練そのものは得意だったらしく
「県下中学生行軍大会」というのに出場し、優勝したそうです
その実績があるため、父には
軍人になれば将校になる道が用意されていた・・・ということです

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする