もう大晦日になりました
考えることは、いろいろあります
でも、今日は、私のことではなく
今年8月に亡くなった藤圭子さんのことを書きます
「流星ひとつ」(沢木耕太郎著)
という本を読んだからです
素晴らしい本でした
藤圭子と沢木耕太郎が
ホテルニューオータニ40階のバーで
ウォッカ・トニックを飲みながら語り合った話が、そのまま本になっているのです
一応はインタビューとして企画されたことなのですが
ほんとんど、恋人ではないにしても、親しい男女の会話のような
素晴らしいインタビューになっています
沢木は、将来、藤圭子が歌手としてカムバックする可能性を考慮し
その時の障害になることを恐れて、この本を出版しませんでした
優しくて粋な男です・・・ほんのちょっぴり、藤圭子に恋をしていたのかもしれません
私は、この本を読んで
自分の藤圭子への想像が大きく間違っていたことを知りました
私は彼女の演歌歌手としての姿は
芸能プロダクションに押し付けられたものだと考えていました
ところが実際は、あの藤圭子独特の発声法や歌い方は
彼女が自分自身の感性で創り上げたものだったのです
私は、宇多田ヒカルの歌を初めて聴いた時
「あっ!藤圭子の声だ・・・」
なんだか背筋がぞくぞくするような、独特の感じを受けました
そして、これは藤圭子の、アメリカからのリベンジだと感じたのです
軽快なポップスを、独特の情感を込めた歌い方のできる
稀有な可能性を持っていたのが藤圭子だと考えたからです
日本の芸能界は歌手藤圭子を生かすことが出来なかった
みすみす彼女の可能性をつぶしてしまった・・・と、私は考えたのです
しかし、それは私の勘違いでした
藤圭子は、あの歌い方を自分で創り上げただけではなく
自分の声に、強いこだわりをもっていたのです
ところが、彼女は、自分自身で、自分の声を取り除いてしまったのです!
彼女は、疲れると声が出なくなりました
喉にポリープの様なものがあったのです
そこで、それを手術で取り除くことにしたのです
手術は上手くいきました・・・しかし・・・声が変わってしまったのです!
そして、声は二度と元には戻りませんでした
彼女は、そのことで自分自身が許せず、引退することになったのです
ほかにも、色々理由はあったようですが・・・
しかし、決定的なことは、そのことだったのです
藤圭子は、潔癖過ぎるほど、純粋なアーチストだったのです
あの、人をゾクゾクさせる彼女の声
彼女自身が、誰よりも、その声を生かすべく、創り出した歌唱法
そして、彼女が、聴いて本当に感動するのは、ポップスではなく演歌であったこと
別れた夫の前川清を、生涯、歌手としても男性としても、尊敬し続けていたこと・・・
一つ一つの事実を確認しながら、私は、自分自身の認識の浅さを思い知らされました
そして、彼女の、どの言葉にも無理が無く、素直に私の心に入って来るのでした
考えることは、いろいろあります
でも、今日は、私のことではなく
今年8月に亡くなった藤圭子さんのことを書きます
「流星ひとつ」(沢木耕太郎著)
という本を読んだからです
素晴らしい本でした
藤圭子と沢木耕太郎が
ホテルニューオータニ40階のバーで
ウォッカ・トニックを飲みながら語り合った話が、そのまま本になっているのです
一応はインタビューとして企画されたことなのですが
ほんとんど、恋人ではないにしても、親しい男女の会話のような
素晴らしいインタビューになっています
沢木は、将来、藤圭子が歌手としてカムバックする可能性を考慮し
その時の障害になることを恐れて、この本を出版しませんでした
優しくて粋な男です・・・ほんのちょっぴり、藤圭子に恋をしていたのかもしれません
私は、この本を読んで
自分の藤圭子への想像が大きく間違っていたことを知りました
私は彼女の演歌歌手としての姿は
芸能プロダクションに押し付けられたものだと考えていました
ところが実際は、あの藤圭子独特の発声法や歌い方は
彼女が自分自身の感性で創り上げたものだったのです
私は、宇多田ヒカルの歌を初めて聴いた時
「あっ!藤圭子の声だ・・・」
なんだか背筋がぞくぞくするような、独特の感じを受けました
そして、これは藤圭子の、アメリカからのリベンジだと感じたのです
軽快なポップスを、独特の情感を込めた歌い方のできる
稀有な可能性を持っていたのが藤圭子だと考えたからです
日本の芸能界は歌手藤圭子を生かすことが出来なかった
みすみす彼女の可能性をつぶしてしまった・・・と、私は考えたのです
しかし、それは私の勘違いでした
藤圭子は、あの歌い方を自分で創り上げただけではなく
自分の声に、強いこだわりをもっていたのです
ところが、彼女は、自分自身で、自分の声を取り除いてしまったのです!
彼女は、疲れると声が出なくなりました
喉にポリープの様なものがあったのです
そこで、それを手術で取り除くことにしたのです
手術は上手くいきました・・・しかし・・・声が変わってしまったのです!
そして、声は二度と元には戻りませんでした
彼女は、そのことで自分自身が許せず、引退することになったのです
ほかにも、色々理由はあったようですが・・・
しかし、決定的なことは、そのことだったのです
藤圭子は、潔癖過ぎるほど、純粋なアーチストだったのです
あの、人をゾクゾクさせる彼女の声
彼女自身が、誰よりも、その声を生かすべく、創り出した歌唱法
そして、彼女が、聴いて本当に感動するのは、ポップスではなく演歌であったこと
別れた夫の前川清を、生涯、歌手としても男性としても、尊敬し続けていたこと・・・
一つ一つの事実を確認しながら、私は、自分自身の認識の浅さを思い知らされました
そして、彼女の、どの言葉にも無理が無く、素直に私の心に入って来るのでした