湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

ベルリンの壁

2006-09-30 18:08:02 | Weblog
旧ソ連やベルリンの壁について書きながら
私は重大な事実に気づきました
ベルリンの壁崩壊が17年も前の出来事だということです
現在20代の若者達にとっては、それは子供時代のおぼろげな記憶であり
事件の意味も、当時の大人達が受けた衝撃も
実感を伴わない記憶となっているはずです

第二次世界大戦に敗北したドイツは
連合国(米・英・仏・ソ)に分割占領されました
東側をソ連、西側を米国および英・仏が占領しました
これがやがて東ドイツと西ドイツになります
首都ベルリンは東側にあったのですが
都市として分割占領され、東ベルリンと西ベルリンに分かれます
東ドイツの中にあるベルリンが東西に分かれたわけです
結果として、東ドイツの中に西ベルリンという
西ドイツの飛び地が出来たことになります
ベルリンの壁というのは、西ベルリンを東ドイツから隔離するため
西ベルリンの周囲を取り囲んだ壁のことです

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死の産業

2006-09-30 10:22:48 | Weblog
科学技術それ自体は、民族も言語も超越した普遍の真理です
しかし、それを使って生み出される産業や製品は
国民性や政治体制を強く反映したものとなります

松下電器グループの創業経営者、松下幸之助は
私の子供の頃から既に全国的な有名人でした
私にとっての松下幸之助の印象は
金儲けの上手なお爺さんというものでしかありませんでした
自分が経営者になってから、松下の事業と人生を書物を通じて知りました
そして、そこに一貫した方向性があることに気付いたのです
それは、働く者と家庭への愛です、さらに国家への愛です

日本が、人々に喜びを与える産業の発展で、高度経済成長を遂げたころ
ソ連は軍事産業の発展に血道をあげていました
やがて行き詰まり、崩壊することになりました
”死の産業”は国を疲弊させ、最後は国そのものに〝死”をもたらしました
ソ連はロシアと名を代え、今ではけっこう元気です
しかし私の見るところ、ロシアの元気は石油輸出の好調に支えられたものです
けして彼らが”死の産業”から”愛の産業”へと転換したわけではありません
あいかわらず天然資源と武器製造が彼らの二大産業です

ソ連(ロシア)製の武器は二流ですから、先進国には売れません
その市場は貧しい発展途上国、未開発国です
それらの国々や民族は、天然資源や農産物を売って得た貴重な外貨で
これら兵器を買い、原住民同志で殺し合いを始めるのです
これでは、いやでも地球規模で貧富の差が拡大します
旧ソ連発の”死の産業”は地球規模で”死の連鎖”を起こし
貧富の差を拡大し続けています

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ソ連崩壊と日本発の愛の産業

2006-09-29 11:15:01 | Weblog
今の若い人達には実感が無いかもしれませんが
20年前までは、ソ連を中心とする社会主義国と
アメリカを中心とする自由主義国とが、がっぷり四つに組んで
世界を二分していました、これは冷戦構造と呼ばれました
ベルリンには東西を分ける”ベルリンの壁”があり
東西冷戦の象徴となっていました
しかし1989年にベルリンの壁は壊され、その後、ソ連も崩壊しました

ソ連が崩壊したのは、経済が行き詰まったためです
なぜ経済が行き詰まったのでしょう
輸出品が地下資源と農林水産物、そして・・・
後進国向けの二流の武器しか無かったからです

広大な領土と、無尽蔵ともいえる天然資源を持ちながら
ソ連は輸出競争力のある民生品を持ちませんでした
自動車も冷蔵庫も、ソ連製があることはあったのですが
とても輸出に回せるような代物ではなかったのです
CDラジカセなどは模倣すら出来なかったのです

優秀な民生品が日本製であっても、ソ連の知識人は耐えることができました
日本人が優秀であることは、彼らも認めていたからです
しかしマレーシア製のCDラジカセを見て
自国の産業では模造品すら作れないと知ったとき
ソ連の若い知識人は自国の体制に深刻な絶望感を持ちました
ソ連社会主義体制とソビエト共産党を積極的に支持する動機を失ったのです
これが、ソ連崩壊のもう一つの理由です

ソ連は水爆も大陸間弾道ミサイルも作ることができました
自動車も冷蔵庫もテレビも、質の問題を別にすれば、作ることができました
ここまでは、模倣ではあっても、アメリカと相似形の産業をもつことができました
しかし、日本発の東アジアの民生品産業に対して
ソ連は模倣すらできなかったのです

東アジアの家電産業は、松下電器産業をはじめとする
日本の家電メーカーが作ったものです
天国の松下幸之助は、ミコヤンら旧ソ連の幹部達に

「ソ連を崩壊させたのは私だ」

と語っているかもしれません
旧ソ連の幹部連中が天国にいればの話ですが・・・
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愛の経営

2006-09-28 12:00:21 | Weblog
松下幸之助は、来日した当時のソ連共産党の幹部ミコヤンに対し

「日本の主婦を解放したのは私だ」

と言ったそうです

ミコヤンがどんな返答をしたか知りませんが
かなり挑発的な発言であったことは確かです
労働者や女性の解放を唄う共産主義国の幹部に対し
彼らが批判してやまない資本主義国の大資本家たる松下幸之助が
自ら解放者を名乗ったわけです

世界的な家電大国を作り上げた松下幸之助の頭の中には
”主婦の家事労働からの解放”という概念がありました
企業活動の目的は利潤の追求です
アメリカの経営者の中には、自己の獲得した莫大な利益を慈善事業に寄付して
社会貢献をしようとする人がいます
しかし、松下幸之助は”企業活動それ自体が社会貢献たりうる”という
信念を持っていました
その信念が商品開発のコンセプト(概念)になったのです

商品開発ばかりではありません
労務管理においても、松下幸之助は社会貢献の意識を持っていました
その根本に”労働者の解放”という概念が当然のごとくありました
世界不況のさなかにあっても、労働者を解雇せず
後の日本的経営の特徴となった終身雇用制の先駆けとなりました
彼は、全盛期のソ連共産党の幹部を前にしても
ひるむ必要はありませんでした

当然、松下幸之助は共産主義者の掲げる理想を知っています
そして、その理想自体はけして間違っていないと考えていたのでしょう
しかし、その実行方法には大いに疑問を感じていたはずです
自分のやり方のほうが正しい・・・という強い信念があったからこそ
あえて、ソ連共産党幹部に対し、挑発的発言をしたのでしょう

松下電器産業は週休二日制導入も早かったです
私の知り合いの塗装業者は松下グループの工場内の作業の時は
一日の作業時間の延長や休日を取らない作業日程は認められない
と話していました
松下グループは自社の従業員のみならず
外注の作業員に至るまで、加重労働を認めず、休日を確保させるのです

苦労人の松下幸之助には、労働者や女性への
深い共感と愛がありました

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愛の科学技術

2006-09-27 11:50:47 | Weblog
自己の安逸のみを図るのはエゴイズムであり
愛の対極にある考え方です
現代の科学技術文明が個人としての消費者の便利と快適のみを追及するなら
愛を忘れた文明となり、やがて現代文明は人々を死に追いやる・・・
・・というのが私の現代文明批判ですが
べつに私はSF作家のように未来を悲観しているわけではありません

じつは日本人は愛に溢れた科学技術文明で大成功を収めているのです

戦後の日本では、主婦の家事労働を軽減するため
洗濯機、冷蔵庫、掃除機、炊飯器・・・多くの家電製品が開発、生産され
大量消費されました

世の男達、とりわけ夫達は、何をおいてもこれら商品を購入するため
日夜必死に働き、少しでもサラリーがアップすることを願いました
真面目で働き者だが、愛情表現の下手な日本の男達
彼らの妻達への愛の表現が、世界に冠たる日本の家電製品を作り上げたのです
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楽をするということ

2006-09-26 18:42:39 | Weblog
愛情に関わることで、この世に楽なことなどありません
愛には何らかの自己犠牲が伴うため
子育てをはじめとする家族への愛、国家への愛
そして恋愛にしても、けして楽しいだけでは済まされないのです
人生に安逸だけを求めるなら
どこかで、愛を諦めた人生を想定しなければならないでしょう

文明が発達し、科学技術の力で、私達は快適な生活を手に入れました
かつては特別な富裕者しか出来なかったことが
今では、普通の人ができます
自家用車を持つことも、海外旅行をすることも
私の子供時代には、庶民には夢でした
今では初任給で海外旅行に行けますし、新車購入のローンが組めます

便利さと快適は文明の進む方向です
リモコンスイッチは寝そべったままテレビを観ることを可能とし
携帯電話は、ベッドの中でもトイレの中でも電話が自由になりました
寝そべったまま情報を集め
好きな時に好きな場所で好きな人と会話が出来るようになりました
科学技術は、ささやかな不便すら次々に解消していきます

私は文明と科学技術の進歩を否定する者ではありません
しかし、文明と科学技術が”便利と快適”しか目標を見出せないとしたら
文明人の生き方は次第に”愛”から遠ざかるような気がします
自己の安逸のみを求める生き方は、愛の対極に位置するものだからです
他者との関係を否定するなら、究極の安逸は死です
文明と科学技術が愛を忘れるなら
文明と科学技術は人々を死に追いやることでしょう
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亡国の思想

2006-09-25 19:00:55 | Weblog
言語と文化を共有する民族が一つの国を作る
それが近代民族国家です
しかし地球上には国家を持たない民族がいます
かつてのユダヤ人は、まさにそうした民族の一つでした

第2次大戦後ユダヤ人国家イスラエルが建国されると
入れ替わりにパレスチナ人は国家(国土?)を失いました
国家を失ったパレスチナ人の中には、テロリズム以外に
自分達の存在を訴える手段は無いと考える人々が多数います

トルコやイラクに住むクルド族という民族も自前の国がありません
彼らが常に迫害の対象となっている事はよく知られています

近代民族国家は戦争の主体であり、暴力や差別の主体でもありました
ナチスドイツによるユダヤ人差別と虐殺は
近代民族国家がなした、国家を持たぬ民族への差別と虐殺の代表的な例でしょう
したがって、近代民族国家を悪の象徴のように考える人もいます

共産主義者は民族主義(ナショナリズム)に対し
国際主義(インターナショナリズム)を唱えました
この言葉の響きが良いらしくて、多くの知識人がこれに共鳴しています
しかしその実体はいかなるものでしょう
旧ソ連(現ロシア)や中国を見れば一目瞭然です

旧ソ連でユダヤ人や、チェチェン人その他少数民族はどうなったでしょう?
現在の中国でチベット人や満州人、ウイグル人はどうなったでしょう?
結論から言えば、国際主義というものは
多数派民族が少数民族を服従、消滅させることにほかなりません
土地を奪い、文化を奪い、生命を奪うのです

国際主義を唄い、愛国心を笑い、民族の伝統や文化を否定する人がいます
共産主義者の他にも、自由経済主義者の中にも、たくさんいます
そうした人々は国家を失う本当の怖ろしさを知らないのです
あるいは、確信犯の売国奴です
そして売国奴には土地所有権を攻撃するという共通性があります
彼らの本当の狙いは土地を奪うことなのですから

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国家と税金

2006-09-24 13:50:44 | Weblog
税金はお布施ではありません
信仰の証として納めているわけではなく
納税者は国民の義務として税金を納めています
多くの人々が自発的に国民の義務を履行しているわけですが
本当は当局によって強制されているわけです
もし私が納税を拒否すれば、私は犯罪者となり、国民としての権利を失うのです

公務員に公共心が無く、多額の税金が無駄に使われていることは
多くの納税者が知るところです
企業経営者は、とりわけよく知っています
企業経営者は、効率的経営はもとより
人々の金銭感覚と勤労意欲にも精通しています
多くの役人に公共心や勤労意欲の無いことなど、とっくにお見通しです
それでも多くの企業経営者は国家の必要性を理解しています

国家を持たない民族には、どんな運命が待っているでしょうか
第2次大戦前、ユダヤ人には国家がありませんでした
それが何を意味したか、20世紀の歴史を知る人なら誰でも知っています
ドイツには裕福なユダヤ人が沢山いました、しかしナチスドイツが政権をとると
彼らは商売を失い、家を失い、最後は収容所の中で生命を失いました
国家の義務を負担する苦しみから楽になる道があるとしたら
それは「いま楽にしてやるからな」という意味の”楽”
すなわち”死”を意味すると思います
負担は覚悟の上で、自分達の国家を持つ必要があるのです

生命というものは最後の私有財産です
生命を失った瞬間、いかなる財産の所有権も当人には無意味なものとなります
私達は生命にとって重要度の高い財産を確保しつつ
重要度の低い財産を処分して生きているということができます
現代日本でも、税金のため、商売をたたみ、家を失う人が沢山います
ナチスドイツほど酷くはありませんが、似たような国になってきたのは確かです
行政機構としての日本に、私は愛国心など感じません
しかし、民族としての日本人、その文化と伝統、それを育んだ国土を
私は深く愛しています
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国家を嫌う人々

2006-09-23 08:01:54 | Weblog
国旗や国歌の嫌いな人々がいます
不思議なことに、日本では、公務員が多いです
当然といえば当然のことかもしれません
日本では、安定した収入を得ることを目的に公務員になる人が多いですから
職務として自己犠牲を伴う、国家意識を嫌う公務員は多いのです
はじめから危険を前提の自衛隊や警察、海上保安庁に勤める人はともかく
文官になる人は、安定した収入や地位、権力が目的の人が大半ですから
公務員のくせに、公共心が無いという逆転現象が起きます

タイのタクシン首相は、タイ国の公務員のトップでありながら
公共心が、まったく無い人です
今回の政治的混乱の原因は
日本円にして2200億円の株式売却益の課税逃れです
政権の人事も法の執行も、自身と一族のための、私利私欲の追及に使いました
問題の株式売却益もすでに、英国領の租税回避地に移転済みです
ロンドン市内に何軒も家を持ち、家族も暮らしています
今回の亡命も計画的であったと思われます

日本にもタクシンに似た人物はいます
村上ファンドの村上正彰です
上級公務員から、投機屋に転進し
日銀総裁をはじめとする、公務員時代に培った人脈と知識を駆使して
非合法な投機で大金を摑みました
法の手が伸びるのを察知すると、シンガポールへ逃亡しました
有罪が確定しても、彼は一生楽に暮らせる財産を確保しました

タクシンと村上に共通するのは、国籍はともかく
二人とも中国人だということです
中国人には公共心が無く、公的地位も法律も私利私欲のために使います
アジアに民主主義が育たないのは
アジア全体に広がった中国人の影響も大きいのです
アジアが欧米列強の植民地であったとき
ヨーロッパ人やアメリカ人の下働きとして
中国人はアジアに拡散して、地位と財産を築きました
彼らにとっては、権力も法律も金儲けの手段です
現地住民は搾取の対象ではあっても、奉仕の対象ではありません
そもそも彼らには奉仕の概念がありません

日本では、中国や中国人の好きな人は公務員に多く
共通するのが国家意識を嫌うことです
学校の先生や裁判官の中には日の丸や君が代が大嫌いな人がいます
共産主義を支持したのも、国労、日教組、自治労
皆、公務員の労働組合です
公務員が労働組合を作るなんて、そもそも非合法だし
国民と対立していることを自ら暴露しています
公務員の仕事は国民への奉仕です
金銭や安逸が目的なら、民間で働くべきです
彼らの大好きな日本国憲法にも、ちゃんと書いてあります
コメント (2)
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クーデター

2006-09-22 13:18:08 | Weblog
我が国では、2・26事件以来クーデターは起きていません
大半の日本人はクーデターなるものの実感がありません
しかしアジア・アフリカ諸国では、少し前までは
クーデターで政権交代するのが普通でした
ラテンアメリカでもしばしばクーデターで政権交代が起きました
そもそも軍事政権が多かったので
クーデター以外の政権交代が難しかったともいえます

タイ国でクーデターがあり
タクシン首相はロンドンに亡命?しました
ロンドンのガトウィック空港で
手を合わせながらタラップを降りるタクシン氏は
風にひるがえる上着の隙間に大きなルイヴィトンマークのベルトが見えます
クーデターに追われた国家指導者の亡命にしては
緊迫感の無い写真です
氏はロンドン市内に何軒かの家を持ち
妻も娘もロンドンに居住しているとのことです
亡命というより、帰宅という感じの強い絵柄です

タイ国内は流血騒ぎも無く
街を行く戦車を、若者達は携帯電話で写真に撮っています
このまま安定と収束に向かうようです

クーデターというものの印象も随分変わりました
これが平和というものなのでしょうか
進歩というものなのでしょうか
いずれにしろ、大事に至らず、タイの人々にはよかったです
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