湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

「旧モーガン邸」焼失

2007-05-12 19:10:17 | Weblog
藤沢市大鋸にあった洋館「旧モーガン邸」は
本日(2007.5.12)午前4時頃出火し、ほぼ全焼したそうです

「旧モーガン邸」は旧丸ビルを手掛けた米国人建築家J・H・モーガンが
1931年に自宅として建て、日本人の妻とともに暮らしていました
モーガンの死後、所有者が転々として、荒れ果てていましたが
地元住民らの保存運動が起こり
現在は、藤沢市と財団法人「日本ナショナルトラスト」の共同所有となっています

「旧モーガン邸」は機能的な洋館でありながら、床の間があり
和洋折衷のユニークな建物であったらしいのです

私は残念ながら「旧モーガン邸」は観たことがありませんでした
約7700平方メートルの敷地があり
鬱蒼とした森に囲まれた敷地だそうですから
地元の人々にとっては、貴重な緑地でもあったと思います

地元住民を中心に結成した「旧モーガン邸を守る会」は
同邸補強工事のための寄付金を募り
月一回の割合で、敷地の草取りや建物への風入れをしていました

整備された「旧モーガン邸」は外部からの侵入を容易にしました
火災を防ぐため、電気も無かったそうです
外部に放火の形跡も無いそうですから
不法侵入者による放火、もしくは失火ではないかと思われます

皇后陛下のご実家は、反対運動も空しく、国税庁が解体しました
解体を免れた「旧モーガン邸」は、原因不明の火災で焼失しました
公共建築物とは違い、住宅のような、本来私有物であるものを
文化財として保護することの難しさを思います

住宅というものは、人々がそこに住み
そこで生活しながら維持されるのが理想です
公共機関による保存に、反対はしませんが、限界があるのも確かです
住宅は、そこに暮らしたい人が、いつまでも永く暮らせることが理想です

現在の日本の税制では
人が死ねば、遺族から家を取り上げ、解体して売り飛ばすのが
公共機関の仕事になっています
日本の歴史上、最悪の住宅税制のもとに、私達は生きています
相続税や固定資産税を廃止する政治家が現れたら
私は喜んで一票を投じることでしょう
コメント
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