ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

絶食系男子

2012年07月26日 | 社会・政治

 一時さかんに言われた肉食系男子、草食系男子からさらに進化して、近頃絶食系男子という言葉が流行っているようですね。
 
 肉食系とは恋愛に対し旺盛で、がんがん行くタイプ、草食系とは恋愛に対する興味関心はあるが、自分からはあまり行動に出ず、女性からのアプローチを待つタイプ、という印象を持っています。

 絶食系とは、そもそも恋愛に何の関心もないか、あるいは関心はあっても自分には無理だと諦めている人を指すようです。
 ある意味悟りを開いたような男ですね。

 でもまわりを見回すと、たしかに絶食系としか言いようが無い中年の男がけっこう存在します。
 それも関心があるけど完全に諦めてしまっている、というタイプが。

 かつてわが国では結婚は親が決めた相手とするもので、恋愛沙汰など破廉恥な行為だとされていました。
 その後お見合いによって、少なくとも会ったことも無いような人と結婚することはなくなりましたが、やっぱり恋愛は一部の恥知らずな男女のするものだとされていました。
 ところが1980年代以降、男女雇用機会均等法が施行されたりして結婚に対する意識が変化し、結婚はすべからく男女の自由な恋愛の末にくるものだとされるようになりました。

 このことは、くっつけたがりの世話焼きおばさんを駆逐し、世話焼きおばさんがいれば相手が見つかったかもしれない、男女のことに疎い多くの独身者を生みだすことになりました。
 
 私が就職した1992年には、職場で40歳を過ぎて独身という人は男女ともごく稀でした。
 今ではうじゃうじゃいます。
 そして逆に若い人は20代で結婚する人が多く、30代、40代に独身生活を謳歌する人が多いように思います。

 男女のことは極めて個人的なことなので、個々人が自由にすればよいことですが、人口問題を考えると、今後のわが国社会に暗い影を落とします。
 結婚しなくても子を持つカップルはいますが、圧倒的多数は夫婦となってから子をもうけるか、あるいは妊娠したら年貢の納め時とばかり結婚するか、というパターンが多いようです。

 極めて個人的な事柄が、将来の少子高齢化の原因になり、しかもそれは年を追って悪化しつつあるように見受けられます。

 だからこそ、余計なお世話だとは思いますが、市役所などの公的機関が税金を投入してお見合いパーティーを開いたりするのでしょう。

 しかし惚れるというのは事故のようなもの。
 そんな気がさらさらなくても惚れてしまえばやむを得ないものの、惚れてもいないものを無理矢理適齢期だからとくっつこうとするのは困難でしょう。

 世話焼きおばさんの復権と、お見合い結婚の良さを再認識すべきではないでしょうか。

絶食系男子となでしこ姫―国際結婚の現在・過去・未来
山田 昌弘,開内 文乃
東洋経済新報社


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ロンドン五輪開会式前

2012年07月26日 | その他

 ロンドンオリンピック、なでしこJAPANがカナダに快勝して幸先の良いスタートを切りましたね。


 激しい攻防の中からの得点です。

 それにしても、開会式が開催される2日も前に競技が始まると言うのは、儀式を重んじる我が国民からみると、不思議な感じがしますね。
 英国人はそんなことは瑣末なことだとして気にしないんでしょうか。

 開会式の時、勝ち点3を得た状態で臨むのと、勝ち点なしで参加するのでは、感じ方が違うでしょうねぇ。
 なでしこ達は気分よく開会式を楽しめるでしょうけれど、カナダチームはプレッシャーを感じながらの開会式参加になるでしょう。

 そういう意味では、開会式特有の、まっさらな状態ゆえの緊張感に欠ける面があると言わざるを得ません。

 これから8月12日まで、なんとなくそわそわする日々が続きますねぇ。

 そういえばロンドン五輪のマスコット、強烈なインパクトです。



 本国では一つ目のバケモノと酷評されているとか。
 バケモノとは言わないまでも、お世辞にも可愛いとはいえませんねぇ。
 でもきっと、この強烈なインパクトが癖になると思います。

 童子の仏像が鹿の角を生やした遷都くんが、当初酷評されていたのに、いつの間にか人気が出たように。

 
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ザ・レッジ 12時の死刑台

2012年07月26日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜は重たい人間ドラマを鑑賞しました。
 「ザ・レッジ 12時の死刑台」です。

 ある男がビルの屋上の縁に立ち、今にも飛び降りようとしています。
 そこへ、刑事が自殺を思いとどまらせようと説得にかけつけます。
 男が刑事にここまでにいたる経緯を語りだし、それがドラマになります。

 男はホテルの副支配人。
 あるアパートでゲイの友人と同居しています。
 同じ階の部屋に夫婦が引っ越してきて、夕食をともにします。
 その夫婦の妻と、副支配人が純愛と言って良い激しい不倫関係に陥るのです。
 男には妻子がありましたが、幼い娘の死をきっかけに離婚。
 人妻は元麻薬中毒の娼婦。
 その夫は飲む・打つ・買うの三道楽に陥り、妻子に捨てられた過去を持っています。
 夫はキリスト教への深い信仰で真面目な生活を取り戻し、妻は夫と出会い、その助けでドラッグからも売春からも抜け出すことができました。
 おまけに刑事にも妻の不倫疑惑という問題があります。

 問題だらけの登場人物が、新たに不倫という問題を起こし、しかも無神論者の副支配人とキリスト教原理主義者の夫とは思想上の暗闘をも繰り広げます。

 妻の浮気に気付いた夫は、正午までに飛び降り自殺しなければ妻を殺す、と副支配人を脅します。

 不倫の熱に浮かされた副支配人はその言葉に従って指定された場所に立ち、正午を待ちます。
 夫はそこが良く見えるホテルの一室で妻に銃を突きつけて待っています。

 かくて副支配人は正午と同時に、刑事の説得も虚しく飛び降り自殺。
 夫は逮捕され、妻は良き夫と愛する不倫相手を同時に失い、孤独のどん底に突き落とされます。
 結局登場人物のすべてが不幸になるという救われないストーリーです。

 この映画、じつは宗教の問題がかなり大きな要素を占めています。
 無神論者、キリスト教原理主義者、さらに副支配人と同居するゲイの男はニュー・エイジ運動やカバラ哲学にはまっています。
 そして妻は夫に従いキリスト教原理主義を信じているように見えますが、じつは何も信じていないという意味で、無神論者よりも虚無的です。
 これらの思想上の暗闘がストーリーに影を落とし、物語に深みを与えているように思います。

 ただかなり重い内容なので覚悟して観ないといやぁな気持ちになることは間違いありません。

ザ・レッジ-12時の死刑台- [DVD]
リブ・タイラー
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