ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

サイレント・ネイビー

2012年07月25日 | 文学

 亡父の蔵書から、「昭和の遺書 55人の魂の記録」という本を読みました。
 軍人、兵隊、小説家、ジャーナリスト、学生、テロリスト等じつに様々な昭和に生き、亡くなった人々の遺書を紹介したもので、興味深く読みました。
 著名な人からそうでない人、自殺、病死いろいろですが、死に際の言葉というのはその人らしさが出るものですね。

 その中で、昭和50年12月に病死した最後の海軍大将、井上成美の短い遺書が印象に残りました。

 一.どこにも借金はなし。
 二.娘は高女だけは卒業させ、できれば海軍士官に嫁がせしめたし。

 これだけです。
 これは亡くなる40年以上前の昭和8年に書かれたもので、当時海軍内部に過激な思想を持った若い将校が台頭し、もしものときのために書いたようです。

 実際に亡くなる直前に書いた遺書は、
 
 小生の葬儀は密葬のこと。

 これに寺の住所などが書かれているだけです。
 自分の思いや、人生観などは一切ありません。

 これがサイレント・ネイビーというものでしょうか。
 海軍士官は沈黙を守ることを美徳とする風があったようです。

 それに比べると、元海軍士官だった中曽根元総理はずいぶんと饒舌ですね。
 
 私はこうして毎日ブログに駄文を物し続けるほど、おのれの考えや思いを述べたいほうですから、サイレント・ネイビーのようなストイックな生き方には憧れを感じます。

 でも多分、それでは世の中うまくいかないのでしょうねぇ。
 わが国は沈黙を重んじる国柄ですが、世界のスタンダードはきちんと自己を主張することですから。

 しかし震災の復旧にあたったりPKOで過酷な地に派遣される自衛官は、概して沈黙を重んじているような感じを受けます。
 その精神性の高さは賞賛されてしかるべきでしょうね。

昭和の遺書―55人の魂の記録 (文春新書)
梯 久美子
文藝春秋

 

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LOFT 完全なる嘘

2012年07月25日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 暑い日中、冷房の効いた部屋でベルギー産の上質サスペンス「ロフト」を鑑賞しました。

 あるマンションの最上階の部屋。
 この部屋は5人の中年男が共有する秘密の部屋です。
 5人はそれぞれにこの部屋で愛人との情事を楽しんだり、娼婦を連れ込んだりして楽しんでいます。
 あるとき、5人のうちの1人が部屋を訪れると、若い女が全裸でベッドの上で横たわり、ベッドの柱に手錠で繋がれて亡くなっています。
 慌てて他の4人を部屋に呼び、今後のことを協議するとともに、犯人探しを始めます。
 部屋の鍵を持っていたのは5人だけ。
 このなかに犯人がいると考えるのが自然です。
 しだいに暴かれる5人それぞれの秘密。
 映画は密室での5人の緊迫したやり取りを中心に時折部屋を共有するに到った来歴や、5人の性癖などがさりげなく挿入されます。
 緊張感漂う密室劇です。
 死んでいる女は誰なのか、誰が殺したのか、その動機は?
 
 そして5人は、殺人事件の解決を警察に委ねることよりも、秘密の部屋を共有し、悪事を働いていたことがそれぞれの妻に露見することを極端に怖れます。
 その中年男の心理、家庭は壊したくないが他の女との浮気は楽しみたいというその心理が、悲劇的な結末へと導きます。
 二重三重に騙されるラスト。
 騙されることが快感ですらあります。
 途中中だるみしますが、じっくり観れば楽しめること請け合いです。

LOFT~完全なる嘘(トリック)~ [DVD]
バリー・アトゥスマ,フェジャ・ファン・フエット,イェルーン・ファン・コーニングスブリュッヘ
アミューズソフトエンタテインメント

 

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体力

2012年07月25日 | 精神障害

 ここ数日なんとなく調子が良くないので今日は休むことにしました。

 精神障害を発症してから、ほぼ治ったとはいえ、以前の自分に戻ったわけではないし、以前の自分に戻ることはないということも分かっています。

 持久力、集中力などの体力の衰え、精神的もろさ、そういったものは間違いなく私を襲っています。
 誰だって加齢とともに気力も体力も落ちるんでしょうが、精神障害発症はそれを劇的に加速させたように思います。
 そうはいっても生きているかぎり、だましだましやっていかなければいけません。

 今日は好きなホラーDVDでも借りてきましょうか。


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