私は平成16年4月、うつ病を発症しました。
薬を飲みながらも、逃げてたまるか、と踏ん張っていたら、にっちもさっちもいかなくなって、翌17年8月から半年間病気休暇を取得しました。
仕事から逃げたわけです。
次に異動先の職場で上司から暴言を受け、うつ状態に陥り平成19年11月から平成20年9月まで逃げ、もう大丈夫だろうと思ったらその上司が合意した事項をサボタージュし続けたため、今度は怒り心頭に発して躁転し、精神科医から出勤を禁じられ、平成21年8月から平成22年4月まで上司との争いから逃げました。
今、7年ぶりくらいに安定した状態になり、逃げたことは結果的に良かったかな、と思っています。
三十六計逃げるに如かず、と言います。
逃げられるなら逃げるに越したことは無いでしょう。
しかし今、逃げるに逃げられない人々が東北・関東に大勢います。
物理的に逃げられないなら、心理的に逃げるしかありません。
被災者のみなさん、立ち向かわず、逃げてください。
「チョコレート」で大ブレイクしたハル・ベリーの熱演が光る心理サスペンス「ゴシカ」を観ました。
「チョコレート」は保守的なアメリカ南部で黒人女性と白人刑務官が恋に落ちる、切なくも社会的な問題作でした。
「ゴシカ」では謎と恐怖により狂気に陥ろうとする女性精神科医を演じています。
女子刑務所の精神科病棟で働く女性精神科医、ミランダ。
彼女は常に冷静沈着、理性的に患者の治療にあたっています。
ある晩、土砂降りの中を車で帰宅途中、ずぶ濡れ、傷だらけで道に突っ立っている少女を避けて車は大破。
気付くと自分の職場である女子刑務所、精神科病棟の個室に隔離されています。
事故後の記憶を失い、妄想や悪夢に悩まされ、暴れて手がつけられないので隔離した、という同僚の医師の説明に、我を失います。
それまで医師として診てきた精神病患者。
自分が精神障害者として扱われることに怒りを覚えながら、精神科医の行動原理を熟知しているだけに、どうにもなりません。
しかも上司でもある夫を殺害した容疑までかけられていると知り、まさに狂気そのものとしか思えない行動に出ます。
サイコ・サスペンスに心霊ホラーのスパイスを加味し、少々あざとくはあるものの息をもつかせぬ迫力と、解けない謎に惑わされます。
コテコテのホラーをお望みの場合お勧めできませんが、上質な風格が漂う佳品です。
それにしてもハル・ベリー、ここまでやるか、という熱演です。
私としては全国の精神科の先生方に観ていただき、精神障害者が抱える苦しみを逆の立場で見る経験をしてほしいと思います。
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