ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

フクシマ50

2011年03月22日 | 社会・政治

 欧米のメディアでは、福島原発で冷却などにあたる東京電力他の社員をフクシマ50と呼んで讃えているそうですね。
 中国では50勇士と呼んでいるとか。
 その他、被災者の冷静な態度が賞賛されています。

 それに比較し、民主党政権の無為無策ぶりが叩かれているそうです。

 私の知り合いは某大学病院に勤めていますが、医師や看護師、事務職員が交代で被災地に向かい、医療行為を行ったり、不足している医薬品などを届けて回っています。
 また、大学病院内に震災対策本部を設け、逐次被災地の情報を収集し、何が足りないのか、どんな人員が必要かを把握して届けています。
 これは千葉県知事からの要請によるもので、通行止めの高速道路を通るための巨大な許可証をトラックに目立つように貼り付け、がらがらの高速道路をすっ飛ばして、被災地と総合病院を何度も往復しているそうです。

 そこの医師が言っていたのは、様々な省庁や、政府にいくつもある対策本部からばらばらに指示がくるため、結局どこの指示にも従わず、病院独自の判断で活動しているそうです。

 それではまるで頭脳が死んで手足が勝手に良かれと思う動きをしているようなもの。
 救援活動の効果も半減するというものです。
 報道されませんが、各地の病院や消防、警察などが要請を受けて、あるいは自発的に、被災地に向かっています。

 こうした地道な努力の継続こそが、復興を実効あるものにするのでしょう。

 大学病院に勤める知り合いは事務職員ですが、この三連休、大学病院内部に設置された震災対策本部に詰めていたそうです。
 若手の男性事務職員は交代で医師らとともに被災地に向かい、げっそりやつれて帰ってくると聞きました。
 知り合いは女性のため、被災地に向かう要員には指名されなかったそうです。

 事務職員と違い、若手の医師は被災地で生き生きと診察し、大学病院に帰ってくると「現場はいいねぇ」などと不謹慎なことを言いながら、疲れた様子を見せず日常の診療行為に戻って行くとか。
 事務職員とは使命感も違えば体力も違うのでしょう。

 フクシマ50に限らず、全国各地のこうした震災復興に尽力する人々に深い敬意を覚えます。

 しかし私自身は、そのような要請が来ても受けることはできません。
 長い精神障害のせいで、他人の苦痛や悲しみに感応してしまい、使い物にならないのです。
 六本木の偏奇館から下町が空襲で焼けるさまをうっとりと眺めていたという永井荷風のような気分がして仕方ないのです。

裸体 偏奇館吟草 (荷風全集 第20巻)
永井 荷風,永井 壯吉
岩波書店
考証 永井荷風(上) (岩波現代文庫)
秋庭 太郎
岩波書店
考証 永井荷風(下) (岩波現代文庫)
秋庭 太郎
岩波書店

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アカシック・レコード

2011年03月22日 | 思想・学問

 世に、アカシック・レコードなるものの存在を主張する人がいます。
 つまり、この世のありとあらゆるものが予めシナリオのように記録されており、それがアカシック・レコードだというのです。
 エドガー・ケイシ―などの霊能者が、このアカシック・レコードにアクセスし、記録の一部を読みとったと主張しています。

 元は、神智学協会のマダム・ブラヴァッキーや、後に神智学協会を離れて人智学協会を設立したルドルフ・シュタイナーなどが、この世の出来事は記録されている、つまり過去の出来事がアカシック・レコードによってありありと眼前に見ることができる、と主張したもので、未来のことにまでは言及していません。
 シュタイナー「アカシャ年代記より」で、驚くべき知見を表明しています。
 例えば、当時月は宇宙の塵が集まってできた、と考えられていましたが、シュタイナーは地球の一部が欠けて飛び出て月ができた、と示しました。
 そして現在、地球に巨大隕石が衝突して地球の一部が飛び出して月ができたという考えが、天文学者の間では有力になっています。

 しかし問題は、アカシック・レコードにアクセスできる、と称して詐欺まがいの商売をしている人が存在することです。
 占いならば、当たるも八卦当たらぬも八卦で、話半分に聞くことができますが、アカシック・レコードが未来のことまで記録されたシナリオもしくは予言だとすると、ことは占いでは済まなくなります。

 私は、それを何と名づけるかは別にして、過去の様々な出来事を詳細に記録した霊的媒体が存在していてほしいと考えています。
 人は生きた証を求めるもの。
 それが霊的に存在すると考えるだけで、心躍り、なんとなく安心します。

 しかし、シナリオが予め決められており、そのとおりに生きていると考えることには、非常な抵抗を覚えます。
 それでは人間の精神の運動である学問や芸術、権謀術数が、つまらないものになってしまいます。

 何が真実であるかは、おそらく未来永劫、人間にはわからないでしょう。
 それならば功利主義的に考えて、人間が望ましいと思える考えを採るのが、有効なのではないでしょうか。

アカシャ年代記より
高橋 巌
国書刊行会
エドガー・ケイシーのアカシック大予言
浜野 永三,Mary Ellen Carter,大自然界
たま出版
H・P・ブラヴァツキー夫人―近代オカルティズムの母 (神智学叢書)
田中 恵美子
神智学協会ニッポンロッジ

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被災者のみなさん、無理しないで

2011年03月22日 | 社会・政治

 最近の震災報道で、ニュースキャスターや著名人が、被災者のみなさん、頑張って下さい、というメッセージを発しているのを見かけます。

 あれはよろしくありません。

 避難生活を送っているだけで、精神的、肉体的に過重な負荷がかかっていることは間違いありません。
 もう十分頑張りましたし、いやというほど苦労しました。
 うつ状態に陥っている人、ショック状態で不安な人、たくさんいるでしょう。
 そういう人に頑張ってください、は禁物です。
 これ以上何を頑張れと言うのだ、とますます落ち込んでしまいます。

 ですから震災報道の番組では、あなた方は十分頑張りました、良くやった、もう無理しないでください、というメッセージを発するべきです。

 ある程度物資が流通し、交通網が復旧したなら、精神科医やカウンセラーの出番です。
 家を流され、家族を失った人々の精神的ケアは死活的に重要になってくるでしょう。
 せっかく助かったのに将来を悲観して自殺する人もでかねません。
 抗うつ薬・抗不安薬・精神安定剤・睡眠導入剤などの精神病薬が大量に必要になるでしょう。

 とにかく、無理しないでください。避難所での生活が、そもそも無理を強いているのですから。

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