ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

炎中(ほなか)の桜

2011年03月12日 | 文学

 テレビでまるで終末のような惨状を呈す地震や津波、火災の被害を見て、私の心は沈むとともに、いっそ完全に世界を焼き尽くす災害が起こればよいのに、と矛盾した気持ちになる私を観察して、ぞっとしたのでした。

ほろびゆく 炎中(ほなか)の桜 見てしより われの心の修羅 しづまらず

 皇室の和歌指南にして現代最高の歌人、岡野弘彦の歌です。

 「バグダッド燃ゆ」という歌集に載っています。
 イラク戦争の惨劇と、自身が体験した太平洋戦争中の空襲を重ね合わせて、格調高く、的確な言葉で美しく、悲劇を歌い上げています。

 ストレートで稚拙ないわゆる反戦歌とは一線を画すものです。

 反戦も結構、反核も結構、しかし和歌というものは、あくまでも美しくなくてはなりません。
 
 岡野先生「サラダ記念日」が流行ったとき、俵万智と比較して論じた評論が現れて、激怒していましたっけ。
 それだけ自分の歌に強い自負があったのでしょう。

 災害をも浪漫的な芸術に昇華させてしまうその歌心に、感服したのでした。

バグダッド燃ゆ―岡野弘彦歌集
岡野 弘彦
砂子屋書房
サラダ記念日―俵万智歌集
俵 万智
河出書房新社

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5時間

2011年03月12日 | 社会・政治

 昨日は地震の影響で道が激しく渋滞していました。
 職場から自宅まで15キロ、普段なら30分足らずで帰れるところ、昨日は5時間もかかりました。
 歩いたほうが早かったですね。
 職場の書庫は本が散乱しており、来週これを片付けるのかと思うとうんざりします。
 年度末で伝票処理も多忙を極めているというのに。
 でも家に帰ってテレビを見たら、東北地方の惨状はそれどころではありませんでした。
 無事に帰宅して布団で眠れたことに感謝です。

 


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