菅総理が谷垣自民党総裁に電話で震災復興担当兼任の副総理での入閣を要請し、同総裁がこれを断ったそうですね。
非常に不思議な感じがします。
私の職場では、偉い人同士が会談する場合、下々の者が根回しをして落としどころを探り、合意してから会談をセッティングし、しゃんしゃんで終わるようにするのが常套手段とされています。
よほど難しい問題を、高度な判断で行う場合でないかぎり、どこの組織も似たようなものなのではないかと想像します。
しかし今回の一件は、唐突に菅総理が電話をかけ、谷垣総裁が断ると、「会って話をすることもできないんですか」と逆切れした模様。
久しぶりにイラ菅の本領発揮ですねぇ。
やり方が稚拙に過ぎます。
震災復興のため、という言葉が錦の御旗か葵の御紋と勘違いしているようです。
昔から、朝敵とか、大東亜共栄圏とか、反核平和とか、大多数の人々の思考を停止させる怖ろしい呪文がわが国を襲ってきました。
今、震災復興という言葉が人々を思考停止に陥れようとしています。
しかし現実の震災復興は、どこにどの程度の予算をつけ、どの程度人員を配置するか、リスクはどの程度か、被災者の反発を招かないか、被災者間の利害の調整はどうするか、各省庁や自治体間の役割分担や指揮命令系統はどうするか、マスコミが恣意的な報道で復興の実現を妨害しないかなど、難問山積です。
冷酷なまでに冷静に思考を続けなければなりません。
政治家は感情的になってはいけません。
マスコミは情緒的な報道は極力控えるべきです。
それなのに、トップに座る菅総理が感情に走っているように見受けられます。
そんな時は、政敵であったはずの野党トップではなく、人材豊富な民主党から優秀な人をしかるべきポストにつけるべきでしょう。