ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

2012

2011年03月09日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 パニックSFの巨編「2012」をDVDで鑑賞しました。
 2012年に地殻大変動が起こり、大地震や大津波、火山噴火などで人類絶滅の危機にさらされる、というマヤ文明発祥の終末論をそのまま映画にしたものです。

 米国大統領科学顧問の若き地質学者が2009年に地殻大変動不可避の報告を大統領に上げ、世界は協調してノアの箱舟のような巨大な船を用意してその時に備えます。
 船は米国船、ロシア船、中国船、英国船、フランス船、イタリア船、ドイツ船、カナダ船、日本船の9隻です。 
 一目で分かるとおり、G8+中国の9隻で、世界のお金持ちクラブの会員だけが生き残れるのです。
 総数40万人。
 この船で地殻変動が一段落するまで海でしのごうというお話です。
 米国大統領を始めとする各国首脳の苦悩と、生き残りをかけて奮闘するある米国人家族のアドベンチャーを同時並行的に描きます。

 2時間半の大作で、飽きさせない娯楽作に仕上がってはいるのですが、ハリウッドらしい子どもっぽい人類愛が全編を貫き、白けさせます。

 一人が危機に陥ったからといって船の出港を停め、40万人の命を危険にさらすなど、指導者としてあるまじき行為がヒロイックに描かれます。

 映画「スターリングラード」では、ドイツ軍と戦うソビエト兵の後ろに重機関銃でソビエト兵を狙う同じソビエト兵が登場します。
 つまり、ドイツ軍に恐れをなして後退してくるソビエト兵を撃ち殺すためです。

 「二百三高地」では、日露両軍の兵が白兵戦を演じている真っ最中に、ロシア軍の大砲が撃ち込まれます。
 ロシア兵もろとも日本兵を殺害しようという魂胆で、当時の日本軍はこの驚くべき戦法に大いに悩まされたと聞きます。

 絶滅寸前の人間を描くのに、善意の塊のような人間ばかり出てきて、極限状況で人間が何をなすか、それは悪といえるのか、といった、深い人間性への洞察が決定的に欠落しています。

 金をかけた大作であることは認めますが、人間描写があまりに甘いと言わざるを得ません。

2012 スタンダード版 [DVD]
キウェテル・イジョフォー,ジョン・キューザック
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
スターリングラード [DVD]
ジュード・ロウ,ジョセフ・ファインズ,レイチェル・ワイズ,ボブ・ホスキンス,エド・ハリス
日本ヘラルド映画(PCH)
二百三高地 [DVD]
仲代達矢,あおい輝彦,夏目雅子,丹波哲郎,森繁久弥
東映ビデオ

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捐納(えんのう)

2011年03月09日 | 社会・政治

 民主党政権になって、政治と金の問題に厳しく対処するのかと思ったら、小沢議員が党員資格停止になったくらいで、身内には甘いようです。
 前原前外務大臣も大臣を辞することで野党からの追求から逃れたいご様子。
 政治は権力抜きには成り立ちませんから、権力に摺り寄るお金持ちは後を絶たず、お金が欲しい権力者も枚挙にいとまがありません。

 江戸時代、旗本や御家人は生活に窮すると、旗本株や御家人株を売ることがけっこうあったとか。
 これは違法行為ではなく、認められていたようです。

 中国でも古く捐納制度というのがありました。
 要するに民間人が役人になるための資格を金で買うのです。
 これは国家の制度で、贈収賄とは全く違います。
 お金持ちなら科挙に受からずとも特権のある上級役人になれたわけです。

 この制度は中華民国の成立まで続きます。
 悪い面ばかりでなく、良い面もあったようです。
 地方の有力者が役人になることで地方の実情を知ったりすることと、なにしろ税収を上げられるということですね。

 現在の中華人民共和国では行われなくなったはずですが、縁故採用や身内を出世させるなどの風習はのこっているやに耳にします。

 わが国でも小さな町役場や村役場では縁故採用が多いという噂を耳にします。
 公務員の採用は公平でなければならず、試験結果のみに拠っていると信じたいところです。

 政界では、政治には金がかかると大合唱していますが、いっそ捐納制度に倣って、議員も大臣も金で買えるようにしちゃったらどうでしょう。
 孫正義なんかが総理大臣になったりして、面白そうです。

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長妻VS細川

2011年03月09日 | 社会・政治

 近頃ニュースをにぎわせている専業主婦の国民年金への切り替え忘れによる年金未納をチャラにしようという厚労省課長通達。

 通達を廃止して課長を更迭で終わりにしようとしたようです。

 細川厚生労働大臣は前任者が決めたことで知らなかったし引き継ぎもなかった、と言い訳し、当時副大臣だったことをお忘れのようです。
 長妻前大臣は負の遺産を断ち切るためには不公平が生じてもやむを得ないと判断し、それは省内はおろかマスコミも含めてオープンに議論したのだから、当時副大臣だった現大臣が知らないはずがない、と反論しました。

 面白いですねぇ。
 前大臣と現大臣が責任のなすりつけあい。
 更迭された課長はたまったものではありません。

 民主党が声高に叫ぶ政治主導とは、手柄は政治家に、責任は役人に、ということでしょうか。 
 大体なんで大臣が判断したと言っているものを課長決裁で済ませ、課長名で通知するんでしょうねぇ。

 こうなってくると、厚生労働省幹部が将来問題になることを承知のうえで、大嫌いなミスター年金、当時の長妻大臣を困らせてやろうと、手続きに瑕疵を残したとしか思えませんねぇ。
 役所の手続きに疎かったであろうミスター年金は、どのような形でも自分の考えが実行に移されればよい、と思ったとしても不思議ではありません。

 細川大臣と国民に人気がある長妻前大臣を同時に責められるとあって、自民党はほくそ笑んでいるようです。

 派閥抗争が激しかった自民党でも、こういうことはちょっと考えられませんでした。

 田中真紀子議員が外務大臣の時、外務省を伏魔殿と読んで諍いを起こし、任命権者である小泉元総理を批判して罷免されましたが、田中議員はその後民主党に移ってしまいました。
 類をもって集まると言いますからねぇ。
 田中議員は民主党に自分と同じ匂いをかいだのでしょうか。

 それにしても鳩山政権といい菅政権といい、面白すぎます。
 国民を幸福にするにはまず自ら道化を演じて笑わせようというのでしょうか。

 嗤う門には福来る、あ、間違えた、笑う門には福来るといいますからねぇ。

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